Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

*漫画

谷川史子『草の上 星の下』

★★★★★ めっちゃいい!! うわー、めっちゃいいじゃん……。特にメインテーマがあるわけでもない(あえて言えば、全ての話で恋愛が描かれていますくらい)、内容そのものはばらばらの素朴な短編集。であるからこそ書き手の力量がありありと浮き彫りになっていて…

谷口菜津子『今夜すきやきだよ』

★★★★ タイトルのつけ方がうまい。ふんわりと夜空に広がる幾億もの食卓への祝福。正直「古いな……」という印象も拭えないんだけれど(Twitterを漫画化したような作品だ)、それは単に僕のために描かれている物語ではないということだろう。この(トレンディな…

高橋那津子『昴とスーさん』5

★★★★★ これで、泣かないのは、無理。……はぁ…………余韻がすげぇよ……。 いきなり核心の話になってしまうけれど、きっと誰しもがそれなりの「Stranger Life」を送っていて、その旅路の”途中”で出会った人に、それまでの人生を共有することなんてできなくて。そし…

峰浪りょう『少年のアビス』6

★★★★ 人って、極端にバイオレンス(?)な展開を観ちゃうと引くというより笑っちゃいますよネ。前半の圧倒的な抒情描写から一転し、連載漫画的というよりは、サスペンス映画のクライマックスのような怒涛の(ハチャメチャなくらいの)詰め込みっぷり。7巻の…

谷川史子『きみのことすきなんだ』

★★★★ 昔からずーーーっと、機会を作ってちゃんと読んでみたかった作家が谷川史子だった。ごく初期の作品集だけれど、現在に至るまで重版されている代表作のひとつみたい。 まさに王道の、「昔ながらの」*1少女マンガといった趣。ちょっぴり設定はモリモリ気…

水沢悦子『ヤコとポコ』3

★★★★ <…私はいつか必ず漫画の仕事がなくなるの>。いつかのその日に備えるために、この毎日を壊さないよう守り抜くために、言葉にしない剣で見えない敵と戦い続けるクリエイティブの物語。フリーマーケットで同人誌を売っている話の、正しさと正しさがぶつ…

志摩時緒『友人の妹』1

★★★★☆ ほんと……ほんと志摩時緒のマンガは(僕の中の)えろ本……全てがえっちすぎる……。脳味噌が直接感電するようなえっちさ。エロティシズム、ともまた違う気がする。眼鏡白衣ネクタイスカートむっつり敬語キャラ、と、それがどタイプの(どタイプ、という所…

白樺鹿夜・江本マシメサ『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』4〜5

★★★☆ 5巻の中盤から、かなり曲芸的な力技(思わず笑った)が使われてドイツ編がスタート。クリスマスの描写とか、ああ、『飛ぶ教室』だなぁ、と思ってジンワリしてしまった(大好きなのです)。

安藤ゆき『町田くんの世界』4〜5

★★★★ だんだん、「恋」というものに焦点が絞られていく4、5巻。こう読んでいると改めて不可解というか、「愛」と比較して何とも面倒臭く説明しづらいナニカだなぁ、「恋」って。あとお父さんが闇設定じゃなくてホッとしました。/魔女の秘密、ベタだったけど…

安藤ゆき『町田くんの世界』2〜3

★★★★ 町田くんが持っている「アンテナ」についてのお話。このマンガは良くも悪くも「マンガチック」なほうだと思うけれど、町田くんが持っている「アンテナ」は、たぶんどんな時にもどんな相手に対しても大切なことで、そして、町田くんの「アンテナ」と同じ…

安藤ゆき『町田くんの世界』1

★★★★ タイトルがいい。『町田くんの世界』。確かに、ラブ・ストーリーだし、ヒューマンドラマだし、コメディでもあるけれど、それらはあくまで幹に生った果実で、主役は彼からみえる「世界」そのものなのだ。町田くんの絶妙なキャラクター設定も面白いけれど…

近藤聡乃『A子さんの恋人』4

★★★★☆ ここまでの巻から一転し、ラブ・ストーリー(と、ライフ・ストーリー)へ物語は一気に深掘りされてゆく。ヒリヒリするような見事な会話劇(特に二人芝居!)の連続。美術に片足突っ込んで三十路になってしまった皆さん、あなたは、この中のどこにいま…

近藤聡乃『A子さんの恋人』3

★★★★☆ 思いがけずA太郎とA君の「直接対決」が実現する展開は鳥肌が立った。作劇がめちゃめちゃうまい……。

近藤聡乃『A子さんの恋人』2

★★★★☆ おっもしろ!!! 最初から最後までゲラゲラ笑い転げた。ひっくり返った虫が足をジタバタさせているようなミジメさにニヤついた次の瞬間、今度はこっちがひっくり返されてしまう……その繰り返し。あゝ、人間とは何とおぞましや! これテレビで流れてた…

近藤聡乃『A子さんの恋人』1

★★★★ 数年前に「これ以上紙の本を(新しく)増やさない!」と固く誓って以来、電子書籍化されるまで結局ぜんぜん読む機会に恵まれなかった本作。よ〜〜〜〜〜うやく読めた。近藤さんのフィクション作品を読むの、初めてかも。 相変わらずのオシャレな絵で、…

犬上すくね『恋愛ディストーション』5~8

★★★☆ ここまでの日常的な空気を一転させてしまった、まほ双子篇はさすがに内容がシリアスすぎたかもしれない。ふんわり描くにはあまりにもヘヴィで、グロテスクな過去。最後に出てきたなつめの戯曲探しも、お父さんの設定がちょっと取ってつけていたかな……。…

犬上すくね『恋愛ディストーション』2~4

★★★★ 恋人が、いないならいないで、いたらいたで、日々の隙間に少しづつ残される「満たされない」を、小さな小さなやるせない「疑問」を、本当にちょっとしたディティールから小咄にまで仕上げていて、読み応えのあるエピソードがあちこちにあります。作者の…

オジロマコト『君は放課後インソムニア』7

★★★★ ひとつ山を越えたこともあり、さすがにここ数巻のドラマチックな展開と比較して落ち着いた内容になっていた。/サブストーリーだけれど、<穴水みたいな子はさ(中略)ふしぎと消えていくんだよな>のあたりがすばらしい。ここに……ここに気を配れる(こ…

谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』20

★★★★☆ こんなに地味で、そして陰湿な話、「読者が絶対について来てくれる!」って確信がなかったらぜったいに出来ないわ(やりたかったとしても編集が止めてるわ)。すげーよ。ある意味キングだからできる横暴……。それでも、一人、また一人と「青春が終わり…

九井諒子『ダンジョン飯』11

★★★★ ついに、“あの”九井諒子の本性が牙を剥いた、というべきグロテスクな展開の連発。あさましく、おぞましく、おそろしく、そして罪深き人間の欲望が次々にこれまでほがらかギャグを展開していたキャラクターたちを飲み込んでゆきます。鮮烈なシーンは沢山…

ふじつか雪『トナリはなにを食う人ぞ ほろよい』7

★★★★ えええぇぇぇぇ〜〜〜〜〜おめでとう〜〜〜〜〜!!! ご祝儀はどちらまで……と考えたところで、違うこいつらマンガの登場人物だった、と我に返った。友達というより親戚のおじさんみたいな気持ちへ変化しつつある第7巻。/イチャラブ系のマンガほかにも…

森繁拓真『となりの関くん じゅにあ』1

★★★★ なんと、『となりの関くん』4年ぶりとなる新刊(そういえば連載が自然消滅していたらしいが……)。しかもあの二人が結婚して、その子どもが主人公という「えええぇぇ!?!?」って感じのブッ飛ばしっぷり! 大枠としてはさすがに『からかい上手の元高木…

阿部共実『潮が舞い子が舞い』6

★★★★ 言葉も文字も、紙を埋めつくさんばかりに羅列されまくるクセに、本当に伝えたい言葉も本当に伝えたい感情も本当に形にしたい想いも、何ひとつ具現化されることはなくて、でも間違いなく、そこには“それ”が“ある”のだ。「ある。よねぇ」と、小声で確かめ…

くずしろ『兄の嫁と暮らしています。』10

★★★☆ これまでの巻と比べて急展開が多く、ガリッとした歯ざわり。描かれる内容は素晴らしいんですけれど、なんか終わるタイミングを見失ってしまっているようにも思えるナ……。

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』7

★★★★☆ 息苦しく、痛く、不自由で、それでも「ちゃんとしたい」から、自分自身に「誇らしく」ありたいから、今この瞬間だけでもがんばって踏みとどまり、一歩づつ一歩づつ前へと進んでゆく、勇気ある人々の道なき道の物語。そして「えらばれなかった」人々の…

吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳〜月額2万千円の金欠ライフ〜』3

★★★★★ ○○商法に引っかかった、みたいなノリでイオンカードの罠を訥々と紹介していく第一話からアクセル全開。「筋トレはタダですから」「キレイな景色って世界遺産なのにタダなんだな!」「たしかに玄関って外のテラス席みたいですもんね」等またしても名言…

たらちねジョン『海が走るエンドロール』1

★★★☆ 表紙力。表紙力っすよこれは。今年度表紙オブザイヤー受賞。 Twitterの立ち読み企画で度肝を抜かれて購入。65歳のおばあちゃん(65歳が“おばあちゃん”かはさておき)が若き日の夢だった映画製作にのめり込んでいく、というお話。……ではあるんだけれど、…

山口つばさ『ブルーピリオド』10

★★★★ うさぎと動物たちの幻影がその小さな部屋を埋め尽くしたときに、「それだっ…!それでいいんだっ…!お前はそれでいいんだッ……!」と観客席の最前フェンスを両手で握り締めながら思わず叫んでしまった。マジで親みたいな(?)、彼らのファンみたいな気持…

志村貴子『ビューティフル・エブリデイ』3

★★★★☆ え〜〜〜!!!めっちゃ胸キュンやん!!!!トロ甘やん!!!! 第1巻からはちょっと想像できなかった位のド直球思春期ラブ。HoneyWorksじゃん!!!!! その他の諸々もしっかりと着地点に収まり、ハッピーな空気で締められた最終巻でした。志村貴子…

榎本あかまる『この会社に好きな人がいます』7〜8

★★★★ タイトルの通り、「『この会社』に好きな人がいます」の『この会社』にしっかり軸が置かれているから、フワフワ漂ってしまいそうな物語がちゃんとシナリオから離れすぎずにいるんですよね。だから、ケーキの上のメレンゲであるイチャラブを下のスポンジ…