★★★☆
YUKIのソニー独立後1枚目となったオリジナルアルバム（ただし発売元は変わらずエピックレコード）。
前作がちょっと微妙だったんだけれど、良くも悪くもそこからの反動をかなり感じさせる内容になってる。「全方位的ポップアルバム」と銘打っていろいろやった結果、過去のどのキャリアの楽曲にも及べなかった『まばたき』とは真反対に、本当にYUKIの個人的な趣味が濃厚に反映された内容になっていて、め〜っちゃくちゃオルタナティブで渋い楽曲が揃ったアルバムに仕上がっていた。それ故に全体の統一感が素晴らしくて、1曲目の「チャイム」から「トロイメライ」で一旦上がった後、そこからゆったり最後まで進んでいく様子は聴いていてとにかく心地良かった。で、逆に「これ！」って曲が今までで一番なかったアルバムだった…かな。かなり先行して聴いていた「チャイム」が結局一番好きかも。とはいえ「Sunday Girl」はめちゃめちゃ細野晴臣節で別格に良かったし、アルバムを実質的に締める「24hours」も大きなスケールに圧倒された。YUKIの自作自演「美しいわ」も佳作。決して悪い内容ではないと思う。
それと、僕は日本の女性ではYUKIの歌詞が一番ロマンチックでかっこよくて好きなのですが、今作については全体的にちょっと難解に感じられてしまった（スゴすぎた、とも言えるのですが）。そこもちょっとハマりきれない部分だったかな……。
