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音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

Akeboshi『a little boy』

★★★★☆

10年ぶりくらいにちゃんと聴いた、Akeboshiだった。 

バンプの「車輪の唄」からカントリー→アイリッシュにハマっていった当時10代だった僕は、辿って辿って、当時のAkeboshiのデビューアルバム『Akeboshi』も手に取った(ナルトのタイアップは全く知らなかった)。トラディショナルでありつつもAkeboshiならではの郷愁があるエスニック・サウンドはとても素敵で、特に「廃墟のソファ」って曲が大好きで当時(も今も)よく聴いていた。ただ、それからAkeboshiを追いかけることは特になく、これは最近だけど、「曇り夜空」という曲だけ単品で買ったきりだった。なので、「そういえば最近のAkeboshiって何してんだろ?」と気まぐれに思い出さなければ、このミニアルバムとは出会えなかったかもしれない。ストリーミングがこの機会を与えてくれたことは本当に有難いことだ。あまり深く考えずに再生したんだけど、気づけば魅了された。

たった5曲、というか実質4曲なんだけれど、とてつもなくドラマチックで……何というか、シネマティックなミニアルバムだった。『Akeboshi』の時のようなシンプルさとは少し違う、細部まで緻密に組み立てられた、とても「物語性」の濃ゆいサウンド。とにかくイヤフォンで聴くこのサウンド・ウォールに圧倒されてしまった。表題曲「a little boy」は特にすごいし、続く「Beagle Bon Voyage」はちょっと『Akeboshi』感に戻りつつも躍動感ある曲になっていて、ロックっぽさもあったし、そして変わらず「物語」の強さが特に浮き出ていて……。びっくりした。さながら、図書館の奥で埃を被ったブ厚い装丁のフェアリー・テイル本を開いたような感覚。なかなか聴けない音楽だと思う。ちょっとでも興味があればオススメします。ストリーミングだったので全く歌詞が判らず(全部英詩なので)、それがかえって良かったような、まだまだ何か見落としているような……。