★★★★☆
冒険の巻。そしてこの後も、冒険は続いてゆくのでしょう。ただ生きているから、過ごしているから、その空気の振動で漣は起きて、とおくから漣は戻ってきて、そんな小さな対話を繰り返してゆくさまが、とてもとても心地よいのです。
……ただ、さ。 扉 の 登 場 人 物 欄 に ネ タ バ レ を 書 く な ッ ! !*1
*1:そうだよね……あれ……違くない!?って前の巻を読み返してしまったよ……。
2021年下半期のマイベスト楽曲・ベストナインです。
※「2021年下半期に僕のiTunesに登録された」曲からのセレクションであって、発売時期的にそうでない曲も入っています。1位~9位という意味ではなく、聴いた順(みたいなもの)です。
01.野球 / くるり
<走れ 走れ 福本 走れ 走れ 福本
走れ 走れ 福本 走れ 走れ 福本>
02.the angel of 8th ave. / Gang of Youths
<I wanna lay me down / And be lover of the year>
03.Murder Most Foul / Bob Dylan
<Rub a dub dub ? it’s murder most foul>
04.怪獣 / PEOPLE 1
<次の時代のページを捲って 僕が新しい僕を纏えば
このくだらない自分語りも抜け殻になるだろう
でもあんまり悲観しないでね そのために始めたんだ>
05.魔法の歌 / PEOPLE 1
<僕はこういう人だから
自分を愛してあげられない>
06.僕の心 / PEOPLE 1
<みんな容易くこなすことが なんだか難しいのだ>
07.ホームラン / BBHF ★年間ベスト楽曲
<空を見上げて考えてる どこまでもずっと考えている
ホームランのことを>
08.大人になったね / CHiCO with HoneyWorks
<レアだった笑顔見せ続けてほしい
どうか 元気でいてね>
09.やめるなら今 / ヒグチアイ
<優しくされたくて愛されたくてそんな人生送りたくて
夢見てきたわけじゃないだろう>
■次点
泣かない女はいない / YUKI
空窓 / RADWIMPS
オオイヌフグリ / ソウル・フラワー・ユニオン
わたしのアール / 和田たけあき
人生は夢だらけ / 柾花音
Dear... / かしこまり
Small world / BUMP OF CHICKEN
ミレー / ユニコーン
コヨーテ / 富士葵
魚肉ソーセージと人 / 矢野顕子
★★★★☆
柾花音のEP。オリジナル曲のリリースは初となる。
華やかな「My bouquet」でアルバムを始めたくなるところ……を! あえて「Dreamy steps」から立ち上げ、4曲を通して次第に夜から朝へ景色が変わってゆくさまを描き出す。特にこの「Dreamy steps」が面白い曲で、フワフワしたドリーミーな入りから、次第に自分の足で、力強くステップを踏んでゆくまでの変化を(アレンジでも、歌声でも)ドラマチックに表現していてめちゃくちゃ素敵! 続く、曲名の通りメロウなバラード「mellow white」、アダルトな歌声をたっぷり披露しながらスウィングする「タリナイココロ」と、いずれも充実した曲が揃っている。歌声は勿論良いけどいい意味で目立ちすぎておらず、コンセプト、アレンジ、構成、そして成熟したバンド・サウンドがそれらと渾然一体になっていて、総合力のとても高いアルバムだった。既にベテラン感すらあるというか、いい意味で(本当にいい意味で!)出来すぎているくらいの内容では。
あえて言えば、歌詞がどれも雄弁かつ語数もかなり多めなので(「Dreamy steps」はそこがハマっていたわけだけど)、そこだけもう少しアルバム内にバリエーションがあっても良かったかもしれない(あ、歌詞書きますよ書きます書きたいです!!!*1)。2022年6月25日執筆現在では、配信・ストリーミング共に未リリース。
★★★★☆
めちゃ良〜〜〜!!! びっくりした〜〜〜!!!
ザ・フー13年ぶりのオリジナルアルバムにして、最新作。と言いつつ僕はぜんぜんザ・フーの熱心なファンではなく、ヒット曲ですらほぼ把握できていないし、(BUMPのライブSEとしてちょっぴり有名な)『ア・クイック・ワン』を大昔に「ふーん」程度で流し聴いた程度だった。しかし、数年前に「Baba O'Riley」のライブ音源(以下です)を聴いて以来「こんなオジサンになっても<TEENAGE WASTELAND>って唄ってるのかっこい〜!!」ってなり、本作収録曲の「Ball and Chain」のリリックビデオもその時に発見して、これまたすごくかっこ良くて……でもそのまま『WHO』をウィッシュリストに放り込んで以来、もう2年近くも放置していたのだ。
が、このアルバム、1曲目の「All This Music Must Fade」からいきなり超ギラギラでまんまとハートを盗まれた! <きっと君はこの曲を気にいらない、でも構わないさ><こういう音楽はいずれ消え去る/ナイフの切れ味が鈍るように>と、ゴリゴリのロックンロールで、そしてあまりにも魅力的なロジャー・ダルトリーのしゃがれヴォーカルで唄われるなんて!! めっちゃ好きや!! そして先行シングル、グアンタナモ収容キャンプを痛烈に風刺したヘヴィーなナンバー「Ball and Chain」が、「Baba O'Riley」を彷彿とさせるドキドキのフレーズと共に立ち上がる。これもめちゃめちゃ「今」でホットなナンバーに仕上がっていたし、3曲目の「I Don't Wanna Get Wise」なんて、一体どうしてこんなに若々しいんだ!? 書いたピート・タウンゼントって73歳(当時)でしょ!?!? とにかく身体が自然とノッてくる、そして歌詞が、歌が、ギターフレーズがハートに突き刺さる、あまりにも素晴らしいロックンロール・アルバム!! 嗚呼、むかし『ア・クイック・ワン』を流し聴きしたって事実を消してしまいたい。そしてザ・フーのファンにこう伝えたい。「『フー』が初めてのザ・フーのアルバムでした……一瞬でファンになりました!」って!
めちゃくちゃ忙しくて積み上げまくってた……2021年に入手したアルバムをようやく聴き終えようとしているのですが、最後の2枚くらいになってこんなマスト・バイが残っていたなんて! 嬉しいサプライズです。聴かなきゃ、ザ・フー。