Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

田中圭一『若ゲのいたり ゲームクリエイターの青春』

★★★☆

『ペンと箸』は大好きだったんだけど、あれから比較するとちょっといまいちだった。一番の理由は、取材先のチョイスに一貫性がないことだと思う。FFの次はアクアノート、その次はゾイド(ゲーム?)、そして龍が如く……時代もメジャーさもばらばら。漫画家と違ってゲームはけっこう厳密な系譜や年表がある世界なので、この順で読んでいるとつまずくものがあった。初音ミクも取り上げられるとさすがにゲームクリエイター?? って感じだし、プリンセスメーカーよりは先にときメモじゃない? ってところとかも……(その後ちゃんとときメモを取り上げるならともかく)。そんな迂回をするなら、もっとゲームクリエイター的な、それこそ宮本茂ドラクエにも突撃して欲しかったな。内容自体も、いわゆるゲーム開発秘話に終わっていたのと「ああ、青春だ……」って思えるギュッとなるエピソードを引き出せた場合とでこれも結構ばらついていた気がした。取材対象が近すぎる人と、そうじゃない人の違いなのかな……何なんだろう。とはいえ、ジーンとくる物語やエピソードもあちこちにあった。相変わらず技術もセンスも見事なのですが、今回は単純に打率が低かった感じ。本家は連載終了してしまったのですが、もっと続いていれば打率がさらに上がっていたのかもしれない。