Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

『エセルとアーネスト ふたりの物語』

★★★★

レイモンド・ブリッグズの同名絵本をアニメーション化した作品。ブリッグズ本人も映画製作に参加している。

とにかくグラフィックが素晴らしくて、ほとんど絵本そのまま(というより、ほぼ絵本より上)で動き出す登場人物たちの、そしてイギリス・ロンドンの四十年史は見ごたえがあった。特にクライマックスが訪れるわけでもない淡々とした作品ですが、ああ、ヒトは生きて、老いて、そして死んでいっちゃうんだよな、としんみり両親を投影させたりして(ちょっとづつ、自分の両親との共通点をふたりに見つけたりもして)、非常に単純でシンプルな感動にほろほろ泣いてしまいました。筆者自身の描写はかなり限定的だったのがよく効いていたと思う。予告編の印象ほど感動を押し付けてこないところも美点だった。あと、音も良かった!絵本原作のくせに戦争シーンがすげえ臨場感でした。バッドなのはポール・マッカートニーの主題歌が日本ではリリースされていないことですねぇ……。

そして、これは映画の評価とは関係ないけれど、ああ、『風が吹くとき』の夫婦のモデルは自分の両親だったんだなあ……って、なんかそこにも深く深く感動した。何千、何万、何億人ものエセルとアーネストが、いまもこの星で暮している。