Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

『羅小黒戦記』

★★★★

既に大評判になってる映画だけれど、確かにこれはすごい。

あまりカンフーやアクションそのものには心が動かない人間なので、序盤はけっこう冷めた目で観てしまったんだけれど(設定もわからんし、展開もよくわからんし……)、予告編では明かされていない中盤以降からグッと良くなる。なるほど、“今”作る意味がある映画だ。「中国」という文明の歴史にぴったり寄り添いながらも2020年のアニメーション作品にちゃんとなっているバランス感覚は素晴らしくて、終盤またカンフーアクション連発になっても、そこはしっかり、深く心に残った。この作品にあえて既存のタイトルを挙げてしまうのはヤボだけれど……高畑勲が生きていたなら、きっと気に入っただろうな。泣かせどころをサッパリめに処理しているところも好み。ツッコミどころはあるけれど、『カメラを止めるな!』みたいに東宝が配給買い取ったら(あと日本語吹き替え版も作ったら)もっともっとヒットするキャッチーな作品だと思う。配給スタッフに日本人がいないのか、あんまりいい字幕ではなかった(脱字・ルビずれが頻出していた)ことが残念。

いやしかし、これもまたディザースター映画なわけで、時世的に、今の状況と重なって観てしまった部分もあった。中国、どうか、がんばってほしい*1

*1:2020年2月20日執筆時点。