★★★★☆
えええ!!!めちゃめちゃいいじゃん!!!ここにきて!!??
新キャラ、みつきさんが2020年最優秀助演キャラ賞候補であることは言うまでもなく、「ポンコツ」が「ポンコツ」として生きてゆくための選択、決意とか、信念とか、そしてこの場では現れないどうしようもない劣等感も含めて、とても令和的なキャラクターだと思った。あんまりここに言及するのはダサいってわかってるんだけれど…キャラデザもすばらしい。こういうのもまたダイバーシティなんですよね。すごく大事なことだ。
そして物語後半、主人公が「誰のせいでもない」不調でだんだん崩れてゆく生々しさよ! 風邪をひいてしまうエピソードも含めて、麻子さんの体調不良のリアリティが、読んでいるこちらまで気が沈んでくるくらいの、そして、つい最近みんなが経験している、「アレ」にものすごく近いんじゃないかなと思えてくる、見事さ。作中では描かれていないけれど、もしかすると、これもまたコロナ禍が産んでしまった展開なのかもしれない。誰に責められるでもなく、けれど、まとわりついて離れない「人を殺す呪い」について。