★★★☆
樋口楓のファーストアルバム。
Lantisからのデビューということで、とっっってもLantisっぽい……とはいえめちゃめちゃ方向性がハッキリした（そして、おそらく樋口楓の得意なことともよく合っている！）アニメ主題歌的ロックナンバーがメイン。演奏は時折ハードでも、耳心地よく聴こえるように調整されたトラックが特に前半に固まって並んでいる。その中でも「FRONTIER」は、パワフルなサビが印象的で気に入った。
が、個人的にハイライトだと思ったのは「アブノーマルガール」。なんとナナヲアカリ（！）の提供曲で、ここまでのヴォーカルのイメージをひっくり返し、キュートでハツラツとしつつもマイノリティの悩みを抱える主人公を樋口楓が見事な歌声で表現している。メロディもキャッチーだし物語がすごくよくて、＜特別じゃない 透ける身体／触れられなくても此処にいるの＞とか、なんていい歌詞だ……。
めっちゃウルフルズ的な、ブギウギ調の「たこ焼きロック」も楽しかった。本人がオール作詞に挑戦している「Victory West!」はにじさんじ甲子園のV西を意識したもので、ならばぜひ今年の……ただただ悔しくしんどかったはずの、2021版の彼女の歌詞も聴いてみたいなと思ったりしました。
