★★★
『私の少年』の高野ひと深による最新作。普遍的な時間を描き抜いた前作から一変し、テーマも題材も切り口も、めちゃめちゃ流行と時代にどっぷりという感じ、かつ、かなりカッチリした内容なので、なんかここまで比率が重いと2年くらいで作品自体が古くなっちゃわない……？ 大丈夫……？ （ただ、史実の衆議院選挙とは結果が真逆になった（女性議員も減った）ので、ファンタジー世界に突入したとも言えるかも）
そういう、「あともう少しだけ間口を広く描けばいいのにな」という点があちこちにあり、そこがとても勿体ないというか、終始読んでいて引っかかってしまったな（決してテーマ選択の問題ではなく、主にはディティールにおいて）。だからラストのどんでん返しも、あまりワクワクを感じられなかった。
