Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

宮原るり『恋愛ラボ』15

★★★★

数年前までは、新刊が出るのが一年で一番楽しみな漫画だった。家に帰るのが待ちきれずに途中のマックで封を切って、リコと一緒に赤面してテーブルに突っ伏したりしていた。テレビアニメーションも良い出来だったし、8巻〜11巻くらいまでは二度目の黄金期と言えるくらいの、見事な内容だったと思う。

けれど、それを過ぎてからの最後の数巻は精彩を欠いていた。時間の進みが急に遅くなって、内容的にも薄さを感じた。置きに行ってるだけのギャグも増えて、要所要所のアイデアや展開は変わらず素晴らしいんだけれど、その前後の引き伸ばし方はやりすぎだった。邪推だけれど、これは雑誌の看板作品になってしまったが故の、大人の事情もあったのではないかと思う。実際『恋愛ラボ』の連載終了と同時に、掲載誌も廃刊となったらしい。あと2巻短ければ最後まで傑作だったと思う。そこだけが、惜しかった。

15巻についても、ひとりひとりの恋愛成就の進捗もタイミングもばらばらで、それぞれのドラマが散漫だった印象がある。どーしてもそれを考えてしまった……。でも、2010年代に読んだマンガでは5本の指に入るくらい楽しませてもらった作品なので、やっぱり、ああ、よかった、みたいな気持ちが最後には勝つ。みんなの物語が終わって、そしてみんなはまだまだ生きてゆく。一生に一度の一年間の終わり。ああ、よかった。

(サヨが、ほんとに、すきでした)

(2020年5月9日現在、電子書籍版がぜんぶ配信停止になってるのどうしたんだ……)