Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

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吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳〜月額2万千円の金欠ライフ〜』1

★★★★★ 「ステーションバー(怪人)」でSNSでも大バズした*1、吉本浩二の最新作。 正に令和版『大東京ビンボー生活マニュアル』であり、あまりに身も蓋もない生活描写、強烈なディティールへのこだわり、そして着眼点のユニークさとやわらかさ。そして「優し…

高橋那津子『昴とスーさん』1

★★★★★ め っ ち ゃ 大 好 き な や つ 。 これはやばい。うわーやばい。一見平凡なカップルに起きてしまった「ある出来事」が、その後の二人の日々からゆっくりと、じわじわと描かれてゆく。小さなアパートの一室で、寄り添いながら、支えあいながら、励まし…

crystal-z「Sai no Kawara」

★★★★★ 現時点でほぼ間違いなく年間ベストトラックだけれど、もう本当に色々なところで論じられ書き尽くされていて、いまさら自分が補足することなんてないと思っちゃう。音楽は、徹底的に打ちのめされた人々にとっての「最後の手段」であること、その深淵か…

笹生那実『薔薇はシュラバで生まれる ー70年代少女漫画アシスタント奮闘記ー』

★★★★★ 「少女漫画黄金期」と呼ばれた1970年代初頭(50年前!)から1980年頃に10代でデビューし、名だたる少女漫画家たちのアシスタントを経験した筆者による自叙伝。何と自身32年ぶりとなる商業出版だという。 正直、想像を大きく上回るすっごい漫画だった。…

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』4

★★★★★ 2020年の「イマ」を正確に・丹念に追いながらも、普遍的(で無間地獄的)な人間の“こころ”を巧みに描き出す第4巻。物語がノッてきたこともあるけれど、とにかく、どんどん作品としての凄みが増している。キャラクター紹介では隅っこにいるだけの、梢…

峰波りょう『初恋ゾンビ』

★★★★★ ようやく!!読めた!!事前の期待をさらにさらに上回る大傑作だった!! 青春漫画の金字塔『ヒメゴト 〜十九歳の制服〜』の峰波りょうによる最新作であり、少年誌である週刊少年サンデーで連載された“ラブコメ”、『初恋ゾンビ』。連載中盤から尻上が…

yonige「our time city」

★★★★★ あっ、このバンドやばい、って気づいたとき、昔の曲はできるだけちょっとづつ聴くようにしている。一気に聴いたら、もったいないからだ。 去年、ラジオでかかった「みたいなこと」で鮮烈にyonigeと出会って、ひとつ前のアルバム『HOUSE』(と「往生際…

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

★★★★★ 総尺、2時間48分。日本アニメーション史上、最も長い映画となった。 2016年版の『この世界の片隅に』に度肝を抜かれ、魂が震え、これほどまでに原作に忠実に映画化されたこと(そして、そのための片渕監督の献身)にただただ感嘆を覚えても――狂信的な…

永田カビ『現実逃避してたらボロボロになった話』

★★★★★ 読み終えてつくづく思うのは、「エッセイ」やら「フィクション」やらの分類は全くもって“読者には”何の意味も無くって、ただただここにあるのは圧倒的に面白いマンガだ。僕も以前「カビさんはフィクションでヒットするといいんだろうな」って書いてし…

売野機子『ルポルタージュ』『ルポルタージュ 追悼記事』

★★★★★ 読み終えた後感情がぐちゃぐちゃになって、途中もページめくってて吐きそうなくらい気持ち悪くなった。こういう読書体験は久々。間違いなく問題作だと思う。 連載開始は2017年で、途中出版社移籍をはさみ、2019年8月頭に最終話が掲載された。どうして…

戸田誠二『egg star』

★★★★★ この世に同じ作家さんは二人といないから、「戸田誠二は特別な漫画家だ」とは決して言い切れない。でも確かに、確かに「戸田誠二の作品」じゃないと読めない"何か"があって、「Making World」からずーっとここまで伸びている光があって、そしてこの『e…

山口つばさ『ブルーピリオド』4

★★★★★ すべての答えが見えた気がしても、寝て起きたら何もかもがなくなっていて、だけれど進む、進む、進む。たくさんの示唆、美術を続ける意味、課題と自己表現に立ち向かう苦しさ、快感が、とてつもなく見事に言語化されていて、絵になっていて、全てに圧…

ヤマシタトモコ『違国日記』1

★★★★★ 長いシリーズのはじまりの、最初の70ページでもう号泣。ファミレスで大号泣。いちどスイッチが入ると二人が焼けたトーストをつついたり千切りにしたキャベツをやりとりしてる、セリフすらない(腹立つくらいふざけたオノマトペはついてるやつ)1コマで…

Brandi Carlile『by the way, I forgive you』

★★★★★ 「Party Of One feat. Sam Smith」で初めて知った、ブランディ・カーライルのアルバムを借りてみた。(以下の動画はワーナー公式アップの日本語字幕付きです) 単純に、10トラック全てがいい曲。性差別と闘う人々へ<好きに言わせておけばいい/笑い者…

『空の青さを知る人よ』

★★★★★ あれ、もしかして2~3年に1本クラスの映画だったのでは…? と映画館を出て歩きながら一瞬そう思ったけれど、にしてはあまりにも地味な内容で、ちょっと判断つかないな、と軽く混乱した。フォーカスが当てづらい作品で、予告編を作るのは大変だったろう…

ウラニーノ『あるよ』

★★★★★ 『音楽はあるか』以来、ちょうど6年ぶりになるニューアルバム。 ほぼ全曲(ライブで)既に聴いたことがある、という意味ではバンプの『aurora arc』に近い状態だったけれど……本当に、本当に、本当にすごい曲ばかりが並んだアルバムだ。唯一の未発表新…

yonige「みたいなこと」

★★★★★ この夏一番の曲だった。 本当にたまたまつけてたラジオから流れてきて、ひとききぼれした。全然聴いた事ないアーティストの曲を(バンドの名前だけはかろうじて……)有線やラジオから知る経験自体とても久しぶりだったし、しかも調べてみたら映画タイア…

にじさんじ「Virtual to LIVE」

★★★★★ kzのキャリア最高傑作。 VTuber事務所「にじさんじ」の所属メンバーから選抜された12人のために、にじさんじの大ファン(自分のDJセットでこの子たちの曲をかけちゃったりとか)を公言するkzが描き下ろした楽曲(公式通販CDのみ商品化していて配信リリ…

Mumford & Sons and Gang Of Youths「Blood」

★★★★★ 最新アルバム「Delta」のワールド・ツアー(日本にも来てよ!!日本に来るぞ!!)を回っているマムフォード・アンド・サンズ。とにかく僕はこのバンドが大好きなのですが、ギャング・オブ・ユースというまた違うバンドをサポートアクトに加えている公…

『海獣の子供』

★★★★★ 500000億点。 思わず言葉を失ってしまう映像体験だった。ミクロな日常風景が圧倒的な色彩とグラフィックで描き出されたかと思えば、まるで生きているような海や、水や、細胞が振動してるようなキャラクターたちが凄まじい存在感で立ち上がり、そして物…

ネクライトーキー『ONE』

★★★★★ 今年1枚目の名盤。大名盤。まいった!! ネクライトーキー、一時期YouTube広告に出てきまくってて「うざっ!」と思ってたけど、それでも「こんがらがった!」は決して悪くなくて、まだそれくらいの印象だったけれどこのアルバムで完全に引っくり返った…

こざき亜衣『あさひなぐ』30

★★★★★ ぼくのマンガ体験に残る名言がまたひとつ生まれてしまった……。なんなんこの作品? 名言呼び起こしすぎじゃないの?? そうだ、人生とはアイスクリーム。みんな同じパピコのようなもの。たとえ現実が、絶望するくらいつまらなく感じたとしても。 <なあ…

ウラニーノ『naked.』

★★★★★ マイ生涯ベスト3楽曲「愛してる」が収録された、血を吐くような迫力の傑作アルバム『音楽はあるか』から5年。ワンマンライブも(特に関東圏で)減り、活動のペースも落ちてしまっていたウラニーノが、インディーズ復帰と共に解き放った衝撃の復活作。…

鈴木小波『ホクサイと飯さえあれば』8

★★★★★ スタバでこれ読みながら涙ぐんだ。はーーー素晴らしい……あたたかい……。毎巻いろいろ挑戦されている作品で、今回はちょっとそれが控えめだったのが逆に安心・安定して読めたところがあったのかもしれない。このマンガのしっとりしたところ、ほんと好き…

とよ田みのる『金剛寺さんは面倒臭い』3

★★★★★ 読んでて泣きそうになるンですよね……。時間も空間もすっ飛ばして、「ラブ」をキーワードに描かれる、森羅万象がいまここにある意味のすべて。紙の外まで広がっていくような凄まじい世界観とメッセージ(マンガを読んでいて、どうして紙は3:4なんだ? …

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』9

★★★★★ 最近感じる、「神さまに選ばれたマンガ2作品」のうちのひとつ。最初は一種のフェチマンガを描くつもりだったはずだろうに……いつのまにか、これまでのどの作品でもなかなか描き切れなかった仕草や情景・心の動きや一瞬のきらめきすらも「フェチ」の一つ…