Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

阿部共実『潮が舞い子が舞い』2

★★★★ 目次の手前には、登場人物の顔と名前が実に50人近くも並ぶ。どんどんどんどん作家の中で膨らんで、転がり始めていることがよくわかる気持ちのいい第二巻。小さな世界で、シュールで、至極どうでもいい連作会話劇、そのどうでもよさが、世界を少しだけ豊…

阿部共実『潮が舞い子が舞い』1

★★★★ ファンタジックなジュブナイルの秀作『月曜日の友達』の世界観は引き継ぎつつ、日常モノっぽいギャグマンガ(ユーモアマンガ?)で展開する阿部共実の最新作。奇人・変人ばっかりで、ともすれば胸焼けしそうなくらいネチっこい会話劇ですが、いい意味で…

田島列島『田島列島短編集 ごあいさつ』

★★★★ まず短編集が編めるほど未収録作品があった事実にびっくり。『ジョニ男の青春』や『花いちもんめ』あたりはシュールすぎて若干どうしようって思ったけれど、デビュー作『ごあいさつ』辺りはまったく変わらない、「田島節」とも言うべき独特の世界がしっ…

榎本あかまる『この会社に好きな人がいます』3

★★★☆ かわいいですね。自分の中ではもう、ただただかわいいを摂取するエロ本みたいな感じ……。/それこそヲタ恋とか、あまた乱立する「こういうタイプ」の作品の中でも比較的これが抜きん出てるなと思うのは、やっぱり絵のうまさ(!)と、「やりすぎない」現…

瀬尾みいのすけ『推しが公認ストーカーになりました』1

★★★☆ ある意味読み切りで全部オチてる設定ですが……。要は「応援してもらえないと不安でたまらない」一種の強迫観念をオーバーにしてコミカルに描いているので、読み進めるごとに次第にそれに共感できなくもなくなってくるのがちょっと面白いです。そういうの…

ふじつか雪『トナリはなにを食う人ぞ ほろよい』4

★★★★ は〜〜〜〜〜最初のエピソード最高すぎるんだが!?!? なんじゃいこれ!?!? 素敵すぎるじゃんこんな二人!! もう無理!!! ツイッターで発狂してる限界オタクさんのとろけた語彙の理由ちょっとわかったよ!!! 僕も付き合った記念日が出来ると…

藤生『えりちゃんちはふつう』

★★★★☆ めちゃくちゃ良かった。決して自分自身が経験しているわけではないのに、まるで一緒に遠い遠い記憶を呼び起こされる、ささやかだけど胸を締め付けてくる年少期のスケッチの数々。いま世界が普通じゃなくなってるだけに、世界の片隅のさびしさや悔しさ…

オジロマコト『君は放課後インソムニア』3

★★★★ メロメロにロマンチックな第3巻。考えうる手は(多少「とってつけて」る部分も含めて)全部打ってくるその「あざとさ」が、もう恥とか通り越してただただピュアネスな世界に変換されて紙の上で光輝いている。時々、えっ!? てなる表情を描いてきたり…

木尾士目『Spotted Flower』4

★★☆ どーなんだろ……。もっとがっつりやるなら、また全然違う見え方になるはずだけれど、現状はあまりにモノがなさすぎるというか……。ページ数もストーリー展開もしっかりかけてやるとしたらこれはこれで絶対面白いと思う(「げんしけん”イズム“」もちゃんと…

谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』17

★★★★ 黒木智子と出会ってもう10年くらいになるんだねえ。そんな時間の流れも一緒に感じて、お母さんのモノローグに思わずグッと来てしまった。「良かったね」、じゃなくて、「もうきっと大丈夫ね」。/ここからは正直ボーナスステージだから、いつ終わっても…

志村貴子『おとなになっても』2

★★★★ またしても話はどんどん転がり、新キャラもばんばか登場する無軌道な軌道が楽しくて、何よりそれが「豊か」で。恋愛や、ましてや同性愛なんて主題でも何でもなくて、志村貴子の永遠のテーマのひとつでもある、「おとなになる」ということが実はメッセー…

kashmir『ぱらのま』3

★★★★ のんびり公共交通機関ひとり旅(ときどき二人旅)マンガ。もう長らく18きっぷ買ってないなぁ……。旅行中の意外なせわしなさと、そしてのんびりした時間が追体験できるレアな作品です。宿の時間まで余っちゃって、せかせか街を歩きつつ丁度いいイートイン…

アサイ『木根さんの1人でキネマ』7

★★★★☆ 「久しぶりに会った知り合いが別モノになってた時の顔」で大爆笑。ほんと面白いこのマンガ……。ディープな深夜バラエティ番組みたいなエンタメ感と、そこへ巧みに忍ばせる映画的なフィクションと、そして全体を貫くノスタルジア!! 映画史……おおげさに…

むつき潤『バジーノイズ』5

★★★☆ あれ、なんか綺麗に終わってしまった。フルアルバムじゃなくてミニアルバムだったのか……。/3・4巻からシナリオがツイストしてきてて面白くなっていたので、おそらくこれが計画通りのプロットだったのでしょうが、また違う作品でもいいのであの「ツイス…

山口つばさ『ブルーピリオド』7

★★★★ 藝大篇がスタート(伏せ字とか一切しないんですね)。自分も現役で入って学部一年の頃は特にボロボロだったので(ま、今もだけど)めっちゃ感情移入しつつ、懐かしみつつ、どこか俯瞰もしつつ読み進めた。改めて、18歳とか19歳がこんな難しいことに挑ま…