Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

志村貴子『ブルーム・ブラザーズ』1

★★★★ “兄弟”(おおむねゲイ)を主人公にしたオムニバス短編集。長いのも好きだけれど、こういう短編で見せるキレ味は志村貴子の大好きなところです。 繊細に描かれる心の動きを、急にガサッと崩してくる瞬間は何度読んでもたまらない。人間って得体が知れな…

志村貴子『ビューティフル・エブリデイ』2

★★★☆ 不定期連載という事情もあってか、他の作品ほど密度があるわけではないシンプルなドラマで紡がれたラブ・ストーリー。「でも、かっこいいし」「でも、かわいいし」が根元になっているのがいかにも10代という感じで“動物的”で、そのウソがないところもい…

田島列島『水は海に向かって流れる』3

★★★★★ 最後の4ページがすばらしすぎて声が出た。ぐう! こんな綺麗なタイトル回収やられたら……もう笑っちゃうしかないよな。ぐう。 前作からのプレッシャーもあったと思うのですが、よくぞ、という最高到達点にまでゆっくりしっかり登り詰めた、読んでいて最…

宮原るり『恋愛ラボ 恋愛研究レポート』

★★★☆ ファンは間違いなくニヤッとなる、そしてそれ以外の人にはどうでもいい、事実上の「第16巻」。 河合荘のふたりがカメオ出演(クロスオーバーではない距離感が良かった)したこともあって、宮原るりワールドにおける「中学生→高校生」の変化に一貫性を感…

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』5

★★★★☆ 強固なはずだった「スタジオデルタ」の5人が気づけばバラバラに解体され、それぞれの人物関係が大きく動いてゆく。そのきっかけが「新型コロナウイルス蔓延による外出自粛」なのだから、もうホントにこのマンガすげえ!「お隣さん」設定がここで生きて…

榎本あかまる『この会社に好きな人がいます』4

★★★☆ ほんとに自分の好みが変わったんだな、と思う。誰かが誰かに「好き」をぶつけて、それに夢中になっている姿を浴びることが一種のデトックスみたいに感じるようになった。それが大好きな恋人でも、大行列で並んだ先のスイーツビュッフェでも、仕事ひとつ…

鈍色家電『異形ヱステティック』1

★★★☆ 立ち読み部分でわかる通りの「無防備な女の子のちょいエロ」路線な一冊ですが、毎回入っている施術シーンがやたらリアルで正確で(他の部分の絵はだいぶ淡白なのに!)、読んでいるとまるで自分がマッサージされている錯覚にかられてくる。本当にリラッ…

ふじつか雪『トナリはなにを食う人ぞ ほろよい』5

★★★★☆ 大好きなシリーズなんですよ……イチャラブに抵抗がなければ是非読んでほしいな。イチャラブ系いろいろここでも紹介してますけれど、これだけ読めばいいから!! この巻が特別に良かったわけではないですが、なんか「ああ、この作品めっちゃ好きだ……」っ…

奥山ケニチ『ワンナイト・モーニング』3

★★★★ 前巻よりもプロットの幅が広がっていて面白い。女の子目線のストーリーも増えてきたのがとても良いです。日来軒のおっちゃんに自分もなりて〜〜〜〜。あまり多くのバリエーションは作れないかもしれないけど、枯れ尽くすまで頑張ってほしいです。

志村貴子『さよなら、おとこのこ』

★★★★ 志村貴子作品としては珍しく「かなり」シナリオの仕掛けが凝っていて、そのアイデアがまず面白い作品。それゆえに結構複雑な内容にもなっていて、途中うっかりすると話の流れに混乱することも。まさに書きかけの脚本から脚本へ、次々にジャンプしていく…

高津カリノ『俺の彼女になにかようかい』7

★★★★ 僕ばりおかさんが好きだったんですけれど、ジュノンとのクライマックスがメッチャロマンチックですごい良かった〜〜〜!!(もちろん他のメンバーたちも)。 6巻の記事でも書いたけれど、「ポスト『WORKING!!』」の作風をおそらくすごく意識して模索し…

高津カリノ『俺の彼女になにかようかい』6

★★★★ 『WORKING!!』『サーバント×サービス』を「経た」、高津カリノ2.0をぞんぶんに感じさせる第6巻。一部バカバカしいくらいフザけた設定こそあれど、描かれている人間模様や葛藤はこれまでの筆者の作劇を塗り替えるほどにしっかり、しっとりと濃厚で、ちょ…

ヤマシタトモコ『違国日記』6

★★★★☆ <叔母さんは小説家で親が死んで超つらくて音楽的に深みが出てもいいはずなのになんで全然パッとしないの!!ーーということがわたしの一番の悩みだった> めちゃくちゃいい。<わたしはわたしの孤独に水をやるべきだろうか?>って言葉、部屋の壁に貼っ…

久井諒子『ダンジョン飯』9

★★★★☆ ポンコツキャラ・ミスルンきゅんも別働隊として走り出した第9巻。相変わらず各話のクオリティが高い……。展開でみせるギャグも、LINEスタンプみたいな一枚絵のギャグも*1、そしてストーリー運びも、さらに見えてくる大きなストーリーも、数々の魔物のア…

PEOPLE 1「常夜燈」

★★★★ まぁ〜〜〜このMVが良くて良くて。めっちゃ良いすね。そりゃ話題になるわという曲。縦画面なので当然スマホなどで鑑賞されるとさらに魅力的です。聴いてるとわかるけど、軽快でふわりと宙に浮かぶようなトラックに、意外にも暗くて後ろ向きなリリックが…

エルセとさめのぽき『I F ~僕らは何度も、君に恋する。~』

★★★★ エルセとさめのぽきの1st EP。正式名称は『I F 』でいいのかな、それとも『IF』?(半角スペースが入ってて気になった) 映像つきでも勿論いいけれど、ミニアルバムとして3曲聴き通した時のドラマチックさが素晴らしい。せつない物語のスタートを演出す…

BBHF『BBHF1 -南下する青年-』

★★★★★ ファーストアルバム、改名後の2枚のEP、いずれも見事な内容だったBBHFが満をじして放つCD2枚組、全17曲入りのオリジナルアルバム。北から南へと旅をする青年を主人公にしたコンセプト・アルバムになっている。 ……という話だったけれど、旅をしている青…

yonige『健全な社会』

★★★★☆ いいアルバム。 ご機嫌なロックンロールはとうとう1曲も無くなり(かろうじて「みたいなこと」か)、歌詞の内容も相まって、ただただ暗く鬱が延々と描かれるような内容になった。が、ずば抜けて素晴らしいのがサウンドで、こういう「鬱」の気持ちにこ…

MIZU『MIZU』

★★★☆ 19歳のデュオ「MIZU」のデビューミニアルバム。 っていやいや、とても19歳じゃねーよ!! という、良くも悪くもオッサンな曲が揃ったマイナー調のフォークソングが揃っている。めちゃくちゃメロウな「ぶる〜」や、あの曲の<越えて 越えて>を<一線越え…

CHARA + YUKI『echo』

★★★★ これはすごい! CHARAとYUKIの共作による(トラックは提供が主だがサウンドプロデュースはCHARA、歌詞はほぼYUKI)ミニアルバム。 20年前にユニットを組んでいたこと自体知らず、アルバム発売と同時に公開された当時の「愛の火 3つ オレンジ」のMV見て…

ゆず『YUZUTOWN』

★★★ ゆずの新譜がぜんぜん響かなくなって、結構経った。 一番はやっぱりアレンジのせいだろう。とうとう今回たった2曲になってしまった岩沢曲の「まだまだ」でさえ、あまりにも感傷的で大げさな編曲。聴いていて疲れてしまうし、感情移入できないので高揚も…

yonige『girls like girls』

★★★★ インディーズの再録を2曲含む初のフルアルバム。 冒頭を飾るカラッとした(そして生々しい)ナンバー「ワンルーム」もいいけれど、アルバムの後半、「スラッカー」以降急にオルタナティブ全開になってそこからがめちゃめちゃいい。andymoriのファースト…

yonige『Coming Spring』

★★★☆ yonigeのファーストミニアルバム。 実は代表曲らしいけどぜんぜん知らなかった「アボカド」はここに収録されている。とても1枚目とは思えない完成された音楽に驚かされた。感情をぶつけながら泣きじゃくるカッ飛びロックも、この後さらに洗練されてゆく…

スタヂオひまつぶし『沼男《スワンプマン》は誰だ?』

★★★★☆ アニメーション作家・久海夏輝らが展開する「スタヂオひまつぶし」が発表したクトゥルフ神話TRPGのリプレイ動画。 えーと、僕も詳しくないのですが(以下説明、読み飛ばしてOKです)、作家・ラヴクラフトが20世紀初頭に発表した怪奇小説シリーズ「クト…

『マーベラス・ミセス・メイゼル』シーズン1

★★★★ Amazonオリジナルのドラマシリーズ。1950年代後半のニューヨークを舞台に、いろいろあってシングルマザーになった女性がスタンダップ・コメディのステージを目指してゆく。 第一話の、酔った勢いでそのままステージに上がるシーンが素晴らしい。その後…

『プロメア』

★★★☆ しっかりTRIGGER作品を観るのは実はこれがほぼ初めてだった(後はアニメミライ版の『リトルウィッチアカデミア』だけかな)。 グラフィックが圧倒的にユニークで、3Dでグリグリ動く背景に極彩色のカラー設計は、さながら映像ドラッグのよう。ただ、(予…

『ぼくの名前はズッキーニ』

★★★★ スイス、フランス合作のストップモーション・アニメーション映画。 勝手にこの映画に持っていたイメージを開始5分で引き千切る、あまりにも重たいスタートで心折れそうになったけれど、その後もわりかしエグい球を内角に食らいつつ最後まで観終えました…

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

★★★★ 吹き替えしかPrimeになかったけれど、ようやく観れました。 『ブレッドウィナー』見た時はあんまりそう思わなかったけれど、なるほど、アイルランドのスタジオジブリと称されることもよくわかる優れた児童向けアニメーション映画。アイルランドにも羽衣…

『泣きたい私は猫をかぶる』

★★☆ いやぁ、やばいでしょうこれは……。途中まではまだしも、ラスト40分で気持ちがズルズル落っこちた。一体いつの時代のアニメなんだろう、これ? 前半。そんなに整理されたプロットではないけれど、生き生きしたセリフやキャラクターが物語をしっかり彩り、…

『失くした体』

★★★★★ ぶっちぎりの傑作。界隈では“超”がつくほどの話題作だったので「あ、ジェレミー・クラパンですよね?見ました見ました!」って話を合わせてウソつかなきゃいけない状況が来ないかビクビクしてたけど、これでもう安心です(だってNetflix入ってなかった…