2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
★★★★★ 静かな傑作。 2011年夏、旅行先の遠野市の小さな本屋さんで小坂俊史の『遠野モノがたり』を表紙買いして、思えばあれから今年でちょうど10年になる。小坂の代表作である「モノローグシリーズ」8年ぶりの続編は、あいかわらずギャグがかっ飛んでいる作…
★★★★ <外国が身近になって 「おとぎ話の世界」じゃなくなって/異文化を題材に創作するのは(かえって)難しい>。はー、さらに先に行ってるなぁバレエ界……! 挑み続ける誇りも、クリエイティブの喜びも、そして百合も、ますます好調な第17巻。
★★★☆ クライマックスがすごい! さすがによく練られた最終回だった。結局のところ、こういう「ピンチ度の高いサスペンス」が他の回では絶妙に足りないところが、僕が漆原作品に期待していたけど今作では残念だった部分で、そして同時にこのマンガ最大の狙い…
★★★★☆ 目には見えない天の川を隔ててふたりが疾走してゆく。六千年前からの星空を記録する1時間。六千年前から続く孤独がふたりを見守っている。六千年前からの星空がふたりの影を闇に落とす。六千年前からの星空がキャメラに焼き付ける数秒間。六千年前から…
★★★★☆ ものすごくシンプルにまとめると、「対話」の楽しさを描いた作品で、料理だ夫婦観だというのはあくまでお出汁にすぎない。ふたりのダイアローグの量を集計するとピッタリ、フィフティー・フィフティーになるのではないか。ユーモアやギャグでまとめら…
★★★★ 登場人物のヒミツがおおむね開示され、条件は揃い、横一線。さあ、ここから「駆け引き」がはじまる! ラストの1枚は、プロローグが終わった華やかなステージの始まりを告げる、祝砲のようですらあった。あのセリフはきっと、読者である私たちへの呼びか…
★★★★☆ ちょっと誤解されそうな表紙なんだけど「一人で結婚式を挙げた」のはゴールではなくまったくのスタートで、そこから「自分の性的指向とは?恋愛感情とは?」といったことの、ただただ思考を垂れ流しているだけなのにいつも通り非凡な内容に仕上がった…
★★★★ 短編集『想うということ』が鮮烈だったので、手を出してみた犬上すくねのシリーズ作品。それなりにありふれた二組の若いカップルを主軸に、互いの日々の摩擦や変化を軽やかに描いていく。とにかくこの「においたつ日常感」がなかなかスパイシーで、なん…
★★★★ 三ツ谷さんが可愛すぎて染井くんが可愛すぎて…………はあ、しんど。こういうマンガの中ですら絶滅危惧種のツッコミ「っておいーーー!!」が聴けたのもちょっと楽しかった。社築かよ! /微笑ましくて、そして、何かしらのちょっとした「補給」ができる、…
★★★★ 「ピュアは移る」ってめちゃいい表現だな〜〜〜!!! しじみは冷凍できるし、メガネはきゅんだし、世界ってなかなかいいなと(読んでいる間だけは少なくとも)思える第6巻です。なんか、この二人、個人的に大学の頃からそこそこ知ってるリア友みたいな…
★★★☆ ゼクシィ!?!? ってくらい「結婚式」までのステップがリアルに事細かに描かれるので、もはやストーリーマンガというよりルポのような趣き。前の巻ともまたぜんぜん内容が違って振り幅がすごいな……。もうじき自分の弟が結婚する*1のですが、両家の顔…
★★★★☆ 唐突に挿入される「男性社会編」にちょっとびっくりした。その部分の結論自体はだいぶ浅いものなんだけれど(じゃあ女も「女」から降りて逃げてみたら?簡単なんだろ?)、←みたいな不理解への怒りや、憤りや、悲しみや、どうにか世界をちょっとでも変…
★★★★☆ アフレコ体験のエピソード、台風が近づいてる時にコンビニへ向かう時の会話、「田村さんとの会話ってアニメっぽくない?」、さらに細かいんだけど初芝がサッと描いたイラストで智子を美化せずに描写していたのを「上手くなった」って表現するとことか…
★★★★☆ 描き下ろしマンガのボリュームも凄まじいけど、もう何なんだこのテキスト量……!! 強固で、大きくて、そして豊かな作品世界の膨大さは言葉にならずただただ圧倒される。読み物として圧倒的に面白い……まいった。そんな一冊です。ただ、10巻を先に読んで…
★★★★ ダンジョンの深淵とは、魔術の深淵で、そして、闇の深淵でもあった――。あちこちに散りばめられたギャグ要素すら、一種の不気味さを帯びてきていて、ひたすらに死の臭いがどっぷりと覆う第10巻。残酷なクライマックスをどこか想起させるあたり、この作家…
★★★★ 執筆時点*1でのピクサー最新作。イタリアの海を舞台にしたサマー・ジュブナイル・ムービー。 ……と、こうして半月くらいの間に2つのスタジオのアニメーション映画を14本も観てきたわけですが、それらと比較しても、飛び抜けているほどに異色で異質な作品…
★★★★ 執筆時点*1のディズニー最新作。 イントロダクションがあまりにもフツーで、正直どーかなと最初は思っちゃったのですが……観ている間、尻上がりにどんどん好きになっていく映画。人類が絶滅寸前となった終末世界が舞台というディズニー作品も目新しいし…
★★★★ トーゼンのように面白い『Mr.インクレディブル』14年ぶりの続編。 日本ではあまり知られていないのですが、実は『アナ雪』を抜いてアニメーション映画史上最大のヒット作(全世界累計)となったらしい本作。女性の職場進出(と男性の家庭進出)がテーマ…
★★★★ 前知識なしだったので内容にビックリした。「オンラインゲーム」ではなく「インターネット」そのものがテーマなんだ! こればかりはもう百聞は一見に、ですが、実在するウェブサイト(特にebayはかなり重要な箇所で登場)が矢継ぎ早に登場するだけでも…
★★★☆ 第一作の公開が2003年だから、完成時点で13年、今観た換算では18年ぶりの続編……! なので、かなり前作の内容を忘れた状態で鑑賞した(当時僕は中学生か、ぎりぎり高校生か……)。作中のドリーと一緒に、あんな感じだったっけ、こんな感じだったっけ……と…
★★★★☆ 「まだ観てなかったのお前〜〜〜〜」って言われそうだな〜〜〜騒がれてた理由が分かった! これは凄いわ! ストーリーのテクニックによって巧みにそう誘導されるから、だけれども、「草食動物」=「弱い」・「肉食動物」=「強くて恐ろしい」という無…
★★★☆ ヒット作のイメージでしたが、けっこう好みが別れそうな…… ひとつは、ラルフが後半のギリギリまで本当に「ただの悪役」でしかないこと。粗暴で、自分本位でしか行動せず、他のゲームまで引っ掻き回し、罪のない者を命のピンチにまで巻き込んでしまう。…
★★★★ 邦題がよい。「クロスロード」。 前作の『カーズ2』が少々アレな映画だったこともあってか、全体的に初代『カーズ』のトーンに戻されていて、再度「人生」がテーマに据えられている。内容も「『カーズ』版『トイ・ストーリー3』」といった趣きだった。…
★★★★☆ 『ファイアボール・ユーモラス』と『ゲボイデ=ボイデ』の間に発表された、『ファイアボール』シリーズ歴代サウンドトラック+新録オーディオドラマCD。 これがものすんごく面白かった!! サントラとオーディオドラマが全く分離されていなくて、この…
★★★★ 全人類"以外"待望。シリーズ最新作にして #ファイアボール最終章『ゲボイデ=ボイデ』全10話は、2020年11月に第1話から第5話、12月に第6話から第10話を #ディズニープラス と #ディズニー・チャンネル で配信&放送開始。声の出演:神谷浩史、川庄美雪…
★★★☆ 幼いふたりの壮大なロードムービー。 「人間と人間ではないもの」の絆を根底に据えた、『インサイド・ヘッド』や『リメンバー・ミー』『ソウルフル・ワールド』とは明らかに違う「すこし前」のピクサー的ピクサー映画。シンプルなテーマとメッセージ、…
★★★★★ 大傑作。 社会的な成功とはほど遠いジャズ・ピアニストの主人公が、一世一代のチャンスを前に死んでしまって……なぜか「死後の世界」から「生まれる前の世界」へと転がり込んでいくストーリー。明快な冒険活劇を意識しておらず、豊かでささやかなニュー…
★★★★ 悪ふざけとユーモアたっぷりのエンターテインメント! 中世ヨーロッパのファンタジー世界……がそのまま現代になってしまった、というワンアイデアで転がしまくるドタバタ劇。何というか、3DCGがどんどん現実そっくりのリアリスティックな表現へと傾いて…
★★★★★ めっっっっちゃええやん!!!!!! ラテンアメリカ(主にはメキシコ)の「死者の日」をモチーフに、ひょんなことで「あっちの世界」に転がり込むことになった少年の一夜の冒険を描いたストーリー。 いいところ挙げたらキリがないくらいなんですが、…
★★☆ ダ〜〜〜メだった。前作も好きじゃなかったんだけど、たぶん苦手な理由は同じだな。でもこれは監督さんの個性なのかも。 何というか、このシナリオの“感じ”が苦手……。「危険よ!一緒にはつれていけない!」一辺倒なヤマ場、パーティーメンバーを大した説…