Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

保谷伸『まくむすび』1

★★★ これは合わなかった……! テーマも、設定も、軽快なセリフ回しも、そしてこれから展開するであろう内容もかなり自分のツボなんだけれど(特に即興劇するところ、ぽろっと次のセリフがアドリブで出てきたところはすごく良かった)、こんなに演劇をバカにす…

荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』15

★★★★☆ なぜか最終巻がぜんぜん出ない状況になってしまって、週刊誌連載にも関わらずこれが実に3年ぶりの新刊。正直、3〜4巻前から読み返さないといけなかったくらい内容も忘れてしまっていた。が、その理由がこれだったのか、まさかラストシーンの取材予定先…

山田金鉄『あせとせっけん』8

★★★☆ イベント系がひと段落したこともあって、原点回帰なアプローチが多かった第8巻。ワン・センテンスでも結構話が広がるのがグッド(今さら「においの形」みたいな話をやるのが逆に良かった)。とはいえこれ、どこまでやるんだろうな……。

仲谷鳰『やがて君になる』1〜2

★★★☆ 好みの話をしてしまえば、もっとバチバチしてる百合のほうが性癖なので、まぁそこもあるにはあるのですが、一方的に好きになってイマイチその理由がわからない七海にも、アセクシュアルを真正面から描く……というわけでもなさそうな小糸にも、そこまで感…

志村貴子『おとなになっても』3

★★★★☆ <私の思考は突然あちこちにばらけ始める/集中力が続かない/かと思えば/何かひとつにとらわれる> 昨日の自分も、明日の自分も、いまの自分とはまるで違う自分。こころは言葉に直らない。いつもわけがわからない。それでも自分は動き続ける。いや、…

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』14〜15

★★★★ 演じる喜び、跳躍する快感、そして「若き天才」とシンクロできる読書体験。"運動"が自己表現かつ自己実現にもなっている、って、自分は学校で教わらなかったことだな。なんだか悔しいな。 自由に身体が動く、火照った肉体で踊り上げる……なんて、読者が…

鈴木小波『東京黄昏買い食い部』

★★★★☆ ムチャクチャ素晴らしい!! コミカルで可愛らしいキャラクター、まるで落語のようなストーリーのメリハリ、そして今作は特に、鈴木小波の「絵」のパワーをこれでもかと見せつけてくるのがすごすぎる。作家の十八番である魚眼レンズの墨絵だけじゃなく…

冬目景『空電の姫君』2

★★★★ 筆者ももちろん後書きで記しているけれど、ここで描かれている音楽文化が今まさに死に、過去の産物になろうとしている事実には胸が引き裂かれそうになる。これが日本で最期のライブバンドコミックになるのかもしれない。 登場人物たちのトラウマが一つ…

吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳〜月額2万千円の金欠ライフ〜』1

★★★★★ 「ステーションバー(怪人)」でSNSでも大バズした*1、吉本浩二の最新作。 正に令和版『大東京ビンボー生活マニュアル』であり、あまりに身も蓋もない生活描写、強烈なディティールへのこだわり、そして着眼点のユニークさとやわらかさ。そして「優し…

金田一蓮十郎『ゆうべはお楽しみでしたね』7

★★★☆ たくみが友人たちに結婚報告したシーンのとこ、すっげードス黒い気持ちが湧いたけどなんかいい風に流されちゃってモヤモヤしたな……。結婚と出産の話をドラクエのシナリオに重ねるのは、ならではですね。

高橋那津子『昴とスーさん』3

★★★★☆ ちょっと想像を絶する、残酷なまでの真実が明らかになる第3巻。なるほど、そう来たか、ていうか“そっち“か、だから英題が……いやはや……。 2巻で若干やわらかな未来が示されていたので、ここにきてそれすらを踏みにじるような展開に持ってくる「強さ」に…

高橋那津子『昴とスーさん』2

★★★★☆ 社会から孤立したまま、ただもがくように生きる「二人だけの世界」から、少しづつ視野が広がってゆく第二巻。絶望も、そしていくつかの希望や優しさも、決して過剰に味付けしているわけではない(むしろ平凡なものの積み上げだと思う)のに、一発一発…

高橋那津子『昴とスーさん』1

★★★★★ め っ ち ゃ 大 好 き な や つ 。 これはやばい。うわーやばい。一見平凡なカップルに起きてしまった「ある出来事」が、その後の二人の日々からゆっくりと、じわじわと描かれてゆく。小さなアパートの一室で、寄り添いながら、支えあいながら、励まし…

雁須磨子『あした死ぬには、』1〜2

★★★☆ 話題作ですが、2巻まで読んでもあまりピンと来なかった。お前はまだ更年期障害って年齢じゃねーからだろ、と言われたら仕方ないけれど、もうちょっとガッツリ「死にたい」に向き合っても良いんじゃないかな、とか、もっと真剣に(日々ぼんやり思うとか…

谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもどう考えてもお前らが悪い!』18

★★★★ シリーズ史上ワースト級の下ネタから華やかに幕を開ける第18巻。そういえば勉強合宿ってやったなぁ、意外と高校三年生って忙しかったよな……とか、わりと鮮明に自分の高校時代のことを思い出したりしました。ヘタな少年・少女マンガより、よっぽどリアル…

オカヤイヅミ『ものするひと』1

★★★☆ 「ことば」を仕事にする主人公の、「ことば」との静かな戦いを日常描写を交えながら淡々と描いた作品。イラストレーターっぽい絵柄も相まって、その「静かな」息づかいが伝わってくるのがとても魅力的。ただ一方で、「たほいや」はまだしも文壇バー(何…