Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ろびこ『僕と君の大切な話』7

★★★★ 実はすんげードラマチックなクライマックスが来るんじゃないかな、とひそかに期待していてさすがにそれは無かったけれど、ゆっくり丁寧に畳まれて終わった最終巻。思えばすごく挑戦的な(かつ、挑発的な!)始まりだったので、そう思うとわりとフツーに…

奥山ケニチ『ワンナイト・モーニング』2

★★★☆ 目の付け所と、作家のある種の「優しさ」から来る手触りが秀逸だった『ワンナイト・モーニング』が連載になって戻ってきた! 相変わらずじんわり味わえました。ただ、特に前半は事実上の「初夜」特集(出会う→盛り上がる→寝る→ごはん の流れ)になっち…

冬目景『僕らの変拍子』

★★★☆ 前記事から一転して、デビュー作を含む冬目景ほぼ最初期にあたる短編集。初期の作品はさすがに荒っぽさを感じるものの(でも「こんな感じ」におけるキャラの雑な命名っぷりが良かった。松原と梅丘、僕が住んでいた町にあった地名です)、退廃的・背徳的…

冬目景『冬目景作品集 空中庭園の人々』

★★★★ あ!面白い!『イエスタデイをうたって』完結前後に発表された読み切り短編をまとめた作品集。ばらばらの内容かなと思いきや意外な共通点があって、さながら連作のように楽しめる。どれもポップなユーモアがあるし、何よりストーリーテリングがすごくお…

ながしまひろみ『やさしく、つよく、おもしろく』

★★★★ ほぼ日刊イトイ新聞で連載されていた掌編をまとめた単行本。筆者はこれがデビュー作となる。 www.1101.com もともとはこの一本のマンガ(↑)からスタートしたらしい。なのでまずは、この一本を読んでみてほしい。ぼくはハート貫かれました。やられまし…

瑛人「香水」「HIPHOPは歌えない」

★★★★ 今さら触れるのもどうかな、と思うのですが、いいよね、瑛人。 あまたのカバー音源の流通や、アーティスト名の雰囲気や、<君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ>というリリックの一人歩きで少々「イマっぽい」消費のされ方をしているがゆえ…

2020年上半期ファイブ

2020年上半期のマイベスト楽曲・ベストファイブです。 ※「2020年上半期に僕のiTunesに登録された」曲からのセレクションであって、発売時期的にそうでない曲も入っています。1位~5位という意味ではなく、聴いた順(みたいなもの)です。 01.our time city /…

ピーナッツくん『False Memory Syndrome』

★★★★ 普段「オシャレになりた~い」とか言ってるくせに、全然音楽は「ファッション」じゃねーじゃん!!ピーナッツのくせに!! いつものぽこピーとのギャップがあまりにすごくて、ちょっと笑っちゃうくらい本格的なヒップホップ・アルバム。超ドープでダウ…

KMNZ「Beat & Beast」

★★★☆ 突如発表されたKMNZの未発表曲。デビュー前に準備していたもののお蔵入りになっていた音源だったが、LIZたっての希望で2周年のタイミングから公開に踏み切ったという。 ……なるほどな!! という感じ。確かにいいけれど、もしこれがKMNZの1曲目だったら…

odol『WEFT』

★★★☆ odolのEP。 「小さなことをひとつ」をはじめ、ストリングスも交えた静謐な(あなたへの、そして「日常」への)ラブ・ソングが収められている。繰り返す日々を歌った曲は、“いま”の情勢も重ねて見ればより切実に迫ってくるものばかり。こういう、ひとつ…

Mumford&Sons「Forever (Garage Version)」

★★★★☆ あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜最高最高最高最高。最新アルバム『Delta』収録の名バラード「Forever」をアッパーなガレージチューンにリアレンジした音源。歌詞もメロディも一緒なはずなのに、まったく違う表情で高らかに歌い上げられる、愛と希望の唄。 <Lo…

月ノ美兎「アンチグラビティ・ガール」

★★★★ にじさんじのVTuber、月ノ美兎のために書き下ろされた楽曲。めちゃめちゃ出来がいいです……。良くも悪くもアニソンっぽい、もしくはキャラソンっぽい、あるいはダンス・エレクトロ寄りの……みたいな「まあまあよくある」VTuberオリジナル楽曲の傾向を最初…

不可思議/wonderboy「この海の向こうに」

★★★★☆ 2011年に23歳で早逝したポエトリー・ラッパー、不可思議/wonderboyの未発表曲。自分がラップにフックを作れたきっかけの方だったし、自主のCD-Rとかも持っていたので、亡くなられた途端に持ち上げられたのがすっげー嫌でドキュメンタリー映画とかも一…

crystal-z「Sai no Kawara」

★★★★★ 現時点でほぼ間違いなく年間ベストトラックだけれど、もう本当に色々なところで論じられ書き尽くされていて、いまさら自分が補足することなんてないと思っちゃう。音楽は、徹底的に打ちのめされた人々にとっての「最後の手段」であること、その深淵か…

くるり「心のなかの悪魔」

★★★★☆ 急遽リリースされた未発表曲集『thaw』の1曲目に収録された、くるりの完全初公開音源。時期的には約11年前、『魂のゆくえ』レコーディング時のアウトテイクだという。さらに言えばデモでも、正式レコーディングでもなく、アメリカのスタジオで録られた…

yonige『かたつむりになりたい』

★★★★ 『HOUSE』や『Neyagawa City Pop』と比較すると、ややクセのあるオルタナっぽい曲が揃ったミニアルバム。<男も女もない、かたつむりになりたい>ともがく「あのこのゆくえ」や、ストレートで心地良いロックナンバー「最終回」が特に良かった。相変わら…

Gang Of Youths『Go Farther In Lightness』

★★★★☆ オーストラリアのロックバンド、Gang Of Youthsのセカンド・アルバム。収録曲の「The Heart Is A Muscle」がめちゃめちゃ良くて大好きになっちゃったので、日本盤が出ておらずタワレコでも取り扱いがなかったこれをAmazonから輸入盤で取り寄せた。 こ…