Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

志村貴子『おとなになっても』6

★★★★ かなり明確に、セカンドステージ突入。ぎょっとするくらいの急展開も、ゆらゆら風がそよぐようなモノローグも、ジンジンと内側から暖かくなる恋の気持ちも、また何層にも丁寧に折り重ねられて。世界で(つまり、人類史上)志村貴子にしかできない作劇。…

たらちねジョン『海が走るエンドロール』2

★★★ うーん……。やっぱりちょっと苦手なのが、肝心の(いや、肝心ではない、ということなのだろうが)クリエイティブからそれぞれのパーソナルが見えてこない。ゆえにリアルに立ち上がってくるものが何もない。うみ子さんのチラッとしか見えない映画からも、…

アッチあい『愛しの国玉』4

★★★★ 「ええーーー今さらその話ーーー!?!?」みたいな、もうホント、ただただ楽しい……。全員でツッコミ入れながら読んでいたい。応援上映みたいにやりたい。メガホン叩きたい。キスシーンで「うおおおおぉぉぉぉぉ~~~!!」って割れんばかりのスタンデ…

幌山あき『マーブルビターチョコレート』

★★★★☆ これはすごい! あっけらかんとパパ活にいそしむ女の子を、才能も根性もセールスもない作家が週刊誌向けルポ執筆のために「買い上げる」という物語。ふたりのキャラクターの分厚さ、鮮烈なダイアローグ、悪意がないゆえに「正確」で「邪悪」な世界、ま…

桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』6

★★★★ 息もつかせないほどに濃厚で高密度な第6巻。クライマックスを何回重ねんだよ!? というくらい題材に生真面目に向き合う……もはや市川というより、作者の、その姿勢とか熱意とか執念に最後まで圧倒された。徹底的にかき集められた「自己肯定」と「人間讃…

山本和音『生き残った6人によると』1

★★★☆ 成田空港に着陸した国際便が未知のウイルスを持ち込んでしまいパンデミックが発生。幕張近郊のショッピングモールに閉じこもり孤立してしまった8人(すぐ6人に)の人間模様を描くゾンビパニックもの。……なんだけれど、絶体絶命の状況で色恋沙汰が始まっ…

茜田千『さらば、佳き日』7

★★★★ いよいよ雰囲気がガラリと変わり、これまで止まっていた時間が動き出す。お母さんの登場はさすがに少し唐突だけど、サブストーリーも本編にしっかり合流して、濁流に変わってゆくのかな。ますます期待です。

高野ひと深『ジーンブライド』1

★★★ 『私の少年』の高野ひと深による最新作。普遍的な時間を描き抜いた前作から一変し、テーマも題材も切り口も、めちゃめちゃ流行と時代にどっぷりという感じ、かつ、かなりカッチリした内容なので、なんかここまで比率が重いと2年くらいで作品自体が古くな…

くずしろ『兄の嫁と暮らしています。』11

★★★★ 同じ or 似た葛藤と悩みの堂々巡りなので、そこは苦しいな……とも感じてはしまうんですが、そういえばまだ劇中では2年経っていないのか……じゃあ仕方ないのかな。もっともっと早く大人になって、時間が経って、そうしたらきっと、今以上に素敵な関係にな…

アサイ『木根さんの1人でキネマ』9

★★★☆ 相変わらず、ブルドーザーで瓦礫を押しつけ合うような不毛バトルぶりが楽しい映画オタクたちの第9巻。「“鬼滅”の興行収入問題」というタブー(?)にも当然のように挑んでいて、さあ10年後、これを読み返したらどんな感慨になるのだろう……。/僕はまさ…

河上だいしろう『三十路病の唄』1

★★★ 三十路を越えた同級生たちがシェアハウスをしながら、それぞれの夢を追ってゆく物語。いかにもな冴えない草臥れ男性がプロゲーマー、みたいな感じとか、あまりにもいろんな内容がステレオタイプすぎて、キャラクターや掛け合いの楽しさで引っ張る感じで…

北村薫・タナカミホ『空飛ぶ馬』

★★★★ 北村薫の『空飛ぶ馬』をコミカライズした単行本。原作は大昔に一度読んだきりだけど、とても鮮烈で、深く深く感激したことを今でも思い出せる。そしてこの絵柄……! すごい……!!作中でも数々の画に圧倒されました。とはいえさすがに完璧な高野文子を期…

ヤマシタトモコ『違国日記』8

★★★★☆ 冒険の巻。そしてこの後も、冒険は続いてゆくのでしょう。ただ生きているから、過ごしているから、その空気の振動で漣は起きて、とおくから漣は戻ってきて、そんな小さな対話を繰り返してゆくさまが、とてもとても心地よいのです。 ……ただ、さ。 扉 の…

さもえど太郎『Artiste(アルティスト)』6

★★★★☆ ジジのストーリー、ロマンチックすぎる! もうキュンッキュンしながら読んだ。はー最高……僕のドストライク……こういうの、たまらん。/創作、クリエイティブ、アーティストをテーマにした作品は本当に沢山あるし、今はブームですらあると思うけれど、作…

さもえど太郎『Artiste(アルティスト)』5

★★★★ 他のマンガ作品の数倍はいるであろう登場人物を、うまくドラマの中でさばいていくのが本当にすごい。それが完全にうまくいっていない部分もあるようには思えるけれど、それだけ困難なチャレンジをしているということだ。その意志と思想、しびれます。/…