★★★★
このシリーズ買い始めて初めての新刊(3年ぶりらしい!)。重野なおきが描く明智光秀くんが大好きだったので最期までしっかり描かれてて嬉しい……。この辺はさすがに有名な話ばかりなので、「そうだったんだ!」みたいな驚きはあまりなく、粛々と(時々笑いつつ)読み進めていく感じでした。
★★★★★
読んでて泣きそうになるンですよね……。時間も空間もすっ飛ばして、「ラブ」をキーワードに描かれる、森羅万象がいまここにある意味のすべて。紙の外まで広がっていくような凄まじい世界観とメッセージ(マンガを読んでいて、どうして紙は3:4なんだ? もっとデッカくていいんじゃないか? って疑問に思ってくる作品ってヤバいでしょ)。既にドン・ハーツフェルトの域に達しつつある……。数学でたまにある、「組合せ爆発」みたいな一種の怖さ(畏怖)すらある。どこまで、どこまで行ってしまうんだこのマンガは。
めちゃめちゃ恐縮なことに作者のとよ田さんご本人から「いつか回収しますよ!」ってリプを頂いているので、我慢我慢してるけれど、やっぱタイトルをつけ直すならこれは『ラブロマ 2.0』あるいは『ラブロマ 不可思議』? なんかちょこっとだけ、そこで損してる気がするんですよね……。
★★★★☆
<「またね……ゆりちゃ……」>アアッ(気絶)/11〜13巻よりはやや落ち着いた印象があるものの、「どうこの物語を締めるか」みたいな一種の余裕すら感じられるようになってきた「神様に選ばれてしまった」マンガ。自意識過剰なあの女の子も、いつしか「平凡な人間」になってゆく。厨二病の終わり、人生の始まりーーその瞬間をシニカルに、しかし誰もが通過したあの日々への追憶をたっぷりと込めながら、見つめてゆく。
★★★★
冒頭から約150ページもの間ずーーっと読む人をモヤモヤさせ続けて、溜めに溜めて遂にたった4Pの絵で「これじゃん!!」って誰もが思えるシビれる瞬間へ到達する構成が、あまりにも大胆不敵で天晴だった。当然必要なことだとは思うけれど、それにしても当時の時代背景の解説が非常に丁寧だったのも素晴らしかった。「こどもマンガ」と「大人向けの風刺画」、「衰退しつつある劇画」しか流通しておらず、「青年漫画」というジャンルが存在すらしなかった高度経済成長時代の物語。もうホンット、この作者さんのドキュメンタリーコミックは、安心して楽しめるなぁ……。