★★★★
インディーズの再録を2曲含む初のフルアルバム。
冒頭を飾るカラッとした（そして生々しい）ナンバー「ワンルーム」もいいけれど、アルバムの後半、「スラッカー」以降急にオルタナティブ全開になってそこからがめちゃめちゃいい。andymoriのファーストを彷彿とさせるナンセンスな「おうまさん」、美しいバラード「沙希」、スポークンワーズで展開する「とけた、夏」などなど、緊張感たっぷりのロックアルバムを堪能できる。傑作「our time city」の続きにも聴こえる「トーキョーサンセットクルーズ」も、日常の向こうへさみしさと希望を見つけ出そうとする“意思”に満ちた素晴らしいミドルナンバー。
この次のアルバムである『HOUSE』を先に聴いてしまっているので、確かにそれとはやや傾向が異なるんだけれど、これはこれでとても良いアルバムだった。ここに刻まれている若さや衝動みたいなものが、この後洗練へと向かうわけですが、この時期でも十分に作品として着地していて、オトナだ、と思いました。
