Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

yonige『三千世界』

★★★★☆

yonigeのミニアルバム。再びインディーズからの発売。

過去作と違い、ストリーミングでも解禁されている。「あーストリーミングでも来たのか……じゃあCD買わなくても良かったかな……」とか思ってたら、何とストリーミングとCDで内容がぜんぜん違うらしく(キーが下がっている、アレンジが全く異なる、など)、そ、そんなのあり!?!? 以下はCD版の感想です。

『健全な社会』の憂鬱な世界観を引き続き掘りつつ、前作のリラックスした雰囲気が少し変容して、一曲一曲がとにかく濃くなったアルバム。喪失と“対岸”への想像を切なく激しく描き出す「対岸の彼女」はいきなり名曲だし、続く「催眠療法」は妖艶で不気味な世界観が見事なサウンドで表現されている。『HOUSE』の頃のタイトなアレンジで内省的な詩を歌う「わたしを見つけて」や……、

<大人になれた僕らは/二塁打が限界の星のもとに生まれた>なんてフレーズに胸を刺されつつ、どこかゾクッとする怖さが異様な「子どもは見ている」も気迫に満ちた佳作(MVはさらに超~不気味でナイス)。そして、さながらフルアルバムの途中で挿入されるようなミドルナンバー「27歳」が唐突にアルバムを終わらせてしまう。この「唐突さ」がすごく新鮮でビリビリとシビれてしまいました。過去のミニアルバムの中でも、群を抜いた完成度と濃厚さで「作品」としての純度が高い一枚。オススメです。(CDとストリーミング、どっちがオススメか何とも言えないのはアレですが……)

(CD版)

(配信版)