★★★★☆
『ファイアボール・ユーモラス』と『ゲボイデ=ボイデ』の間に発表された、『ファイアボール』シリーズ歴代サウンドトラック+新録オーディオドラマCD。
これがものすんごく面白かった!! サントラとオーディオドラマが全く分離されていなくて、この後のシリーズで登場するゲボイデ=ボイデ(ここから聴いたら「マジで誰?」だよなぁ)目線で展開するいつも通りのドラマに、過去のサントラが間髪入れずにごっつんこ(ドッキング)してくる構造がすごくユニーク。ふざけまくった架空のラジオCM、新曲、書き下ろしキャラソン(歌詞が怪しい!怪しい!!)も合間合間に容赦なくブチ込まれていますが、ある意味で全く「カオス」ではなく「これ以外の形」が見当たらないくらいオモシロニクスに昇華されているのが最高です。これはものすごく新しいオーディオドラマの形かもしれない。改めて、このシリーズの面白さのコアは「テンポ」で、それはつまり音楽的な感性に裏付けられていて、僕が好きな他のショートギャグシリーズにも概ね共通しているものかもしれないなと思ったりしました。攻めまくりのトラックの切り方もコンセプト・アルバム感があって大好き(コミックバンドのアルバムみたい!)。しかもこれストリーミングで聴けるんですよね! マジで必聴だぜ。
ところで、前の記事では「本当の続編が観てみたい」と書いてしまったのですが、こちらに収録されてるドラマの中に実はその「本当の続き」がチラッと登場していて。ああ、やっぱり作者的には終わってるんだなと改めて思ったりもしました。確かにこういう触れ方であれば、これ以上続きを作るのは蛇足かもしれない……。