★★★★
いい感じ!!
坂口恭平(さん)の風景画をたっぷりと使った歌詞カードがすごく良くて、けだるい田舎の景色と収録曲の雰囲気がとても合っている。本当は4月発売だったんだけど、その空気感も相まってなんだか夏のイメージがするアルバムだった。「ひけた海の景色」を歌わせたら日本一だなやっぱ、って思う「潮風のアリア」や「渚」もすごく夏だし、そしてもちろん、「野球」も。
この「野球」がまためっちゃいいんすわ。ほとんど一発ネタなのに聴いてるとなぜか熱い気持ちと涙が溢れ出てくる……。そしてノスタルジックな先行シングル「コトコトことでん」、中盤ではインストナンバーを固め打ち(延べ約15分!)したりなど、飾らない音楽の数々は正に「日々のためのサウンドトラック」という感じです。
一番好きなのは、さっきも挙げたけれど「潮風のアリア」。たまたま、「私たちの前から消え去って遠くへいってしまった人たち」のことをいろいろと考える機会があって、その感情にひとつの答えを貰えたような気がしています。
<鴎さえ 啼くのを躊躇う
哀しい気持ちと
それに忍び寄る戸惑いの影を
振り払うこともなく あなたは
数多の影を追い越して 行くだろう 星は流れて
海鳴りは あなたを待っている>