Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

白樺鹿夜・江本マシメサ『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』2〜3

★★★☆

相変わらず大きな事件は起きないまま、ゆっくりと季節が動いてゆく。厳しい大自然の中で「暮らし」を続ける、その知恵とディティールに触れることができるのは相変わらず楽しい。一方、それっぽい貴族のドラマも一応あるんだけれど、作者の技量なのかあえてこういう味付けなのか、あまり深刻に心へは伝わってこなくて、それよりも「それ以外の部分」……つまりパートナーがパートナーとして関係を継続させてゆくこととは、みたいな話の方が強く輪郭が見えてくる。それなりに波長が合って顔も好みな「生活のパートナー」が同時に性愛の対象でもあること、キスをしたりイヤリングを買い与えたり“しなければ続かない”のかなぁこういうのって、みたいなこととか、下手なラブストーリーや現代劇よりもずっとそういうことを考えさせられました。二人は続けてゆくことを選んだわけですが、その二人の選択のリアリティがあんまり掴めず、でもそれこそが逆にリアルというか、「質感」というやつなのかもしれない。むずい。この辺の話、誰かとしてみたいな……。