Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

BURNOUT SYNDROMES『明星』

★★★★

歌詞カードがすごい!! 事前知識がなかったのでびっくりした。これこそストリーミング時代に立ち向かう見事な挑戦!!

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コンセプトアルバムになっていて(「あゝ」だけ浮いてたけれど)、オープニングとエンディングに挟まれる楽曲は「星の王子さまが君にプレゼントするために書いた応援歌だ」というテイで展開される、BUMP OF CHICKENの『THE LIVING DEAD』と同じ構成。しかし『明星』はそこにもう一捻りあって、クライマックスにどんでん返しが訪れるという内容になっている(たった1曲に7ページも費やす歌詞カードなんて初めて読んだよ…!)。元々は大橋パイセンが始めたバーンアウトの「タイポグラフィ」推しだけど、「どう読むねん!?」と思いつつ実はちゃんと読めるぶっ飛んだ歌詞カードのデザインや、アルバムと共に展開していく二人の小さな物語はサプライズもあってものすごい見事(イラストも可愛らしい)。こういう音楽体験をバンプウラニーノ以外で味わうのは久しぶりだった。キャリア初期ならともかく、デビューしてまぁまぁ経ってきたバンドから突然飛び出したフルアルバムなのでその点でも嬉しい驚き。そしてバンドにめちゃめちゃ合っている。こういう方向に今後もどんどん攻めてほしいと思った。

一方、収録曲自体は逆にそのコンセプトに引っ張られすぎたというか、「SPEECH」や「MASAMUNE」、「我が家はルーブル」みたいな“世界各国ネタ”の歌詞はやや浮き足立っていて、物語のあるロックンロールソングとしてはあまり高揚や感動がなかった。もう少しそこはプリミティブな所にまで立ち返っても良いのかもしれない。