Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

藤井風『HELP EVER HURT NEVER』

★★★★

弱冠23歳。間違いなく2020年代最初の天才、藤井風のファーストアルバム。

日本人離れした音楽センス、あまりにも自由に弾きこなすピアノの腕、クレイジーなくらいずば抜けた作詞作曲、そして甘いルックスと、喋れば岡山弁丸出しの田舎少年、というギャップも相まってもうファンをがっっっつり掴んで掴みまくって、具体的に言うと僕の母がドハマりしているという……ずっとこればっかり聴いてますからね。テレビ出演も現時点では絞っていて、地上波出演は報道ステーションのミニ特集のみ*1。もちろん若いファンもいると思うけれど、マダムなリスナーも今のところは多いイメージです。

とにかく聴いてみたらビックリする。もう本当に「何これ!?」って感じ。メロディセンスも、官能的な歌声も、歌われてる言葉の選択も……(ここがある意味一番すごい)。宇多田ヒカルが「Automatic」を初めてリリースした時も、例えばこんな感じのインパクトだったのだろうか。好みの音楽かは別として……このスゴさには思わずひれ伏してしまうだろう。たとえ僕が、R&Bに全くフックがない人間だとしても。

ただ、これはこのアルバムの弱点(欠点ではなく)なのだけれど、あまりにもアレンジが本格的すぎて、逆に少々とっつきづらさを感じてしまうところだ(まぁ、この”本物”っぷりがオトナのリスナーを増やしているのでしょうが)。これについては、最近出た2つの新曲がいきなりイマっぽいアレンジに寄せてきてたので、なるほど、このアルバム自体がアーティストとしての一種の基礎工事だったのだなと。いいプロデューサーがついてますねぇ。これは売れるわ……。

そういうわけで、「決して好きな音楽ジャンルではないけどさすがにスゴすぎてビックリしちゃった、これは誰かに発信せねば!」という使命感に駆られて書いたこの記事。マイフェイバリットは唯一ロックっぽい「さよならべいべ」、あえてさらに一曲挙げるとすれば美メロの「帰ろう」でしょうか。そもそも宇多田ヒカルを、僕はあんまりいいと思ったことがないけれど……でもちょっとそれ以来の社会現象的な何かになるんじゃないか、と思わずにはいられない。道行きを見守りたいです。

*1:2020年10月31日執筆現在