Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

宮本浩次『宮本、独歩。』

★★★☆

エレファントカシマシの……というイメージは、もはやこの2年間で世間では吹っ飛んでしまったかもしれない、それくらい野心的に活動し続けた、宮本浩次の初ソロアルバム。

エレカシは聴くけど「全曲メインディッシュで食べづらい」エレカシは個人的にそんなに好きじゃなくて、だから、そんな「食べづらい」ミヤジも「えっ!?!?」なミヤジも、いろいろ全部入ってるこのアルバムは今までになさすぎてとても面白かった。

自由奔放、突き抜けて何でもやっちゃってるミヤジを聴いてるのはすんごく気持ちよくて、たとえ自分の好みじゃない曲が来たとしても、音楽的なワクワクがすぐにそれを上回る。楽しくて、解放されていて、何でもやってみたくてしょうがないアーティストのそんな初期衝動、そしてそれを高いレベルで着地させるベテランの地力に圧倒された。重ねて、そこまで自分のタイプの曲が入っているわけではないけれど、それを飛び越えちゃうくらいアルバムとして魅力的です。楽しい。

最初に聴いた時は笑っちゃうくらいビックリしたけれど、改めてこれはええ曲だわ〜〜〜って感じの「冬の花」。そして「夜明けのうた」の、この2曲の“わたし”うたは特に心に響いた。そういえばエレカシで一番好きな曲は「彼女は買い物の帰り道」なんですが(生涯聴いた曲の中でもトップ10くらいに好き)、そことも何か共通点を感じたりしました。こういう感性が根っこに内包されてるからミヤジってすごいね……。

 

話が逸れますが、ほんとに、ほんとに大好きなんです、この曲が。6年前のド鬱期に書いた僕の文章もよければどうぞ。「誰かを愛していれば」、ただそれだけでいいんだよね。「特定の」誰かである必要なんてなくて、「誰か(Someone)」を愛してさえいれば。この空に向かって、夕焼けの世界に向かって、明日を「誰か(Someone)」のために生きられますように、と、願えてさえいれば。