★★★☆
ザ・ルミニアーズのサードアルバム。
(架空の)「スパークス家」の3代にわたる物語を描いたコンセプト・アルバムになっていて、直近だとテイラー・スウィフトの『Folkmore』のような、とてもストーリー性の色濃い内容。どうにか和訳のブックレットを読みながら聴くことができたのですが、もうメチャメチャ話が暗くて……。アルコール中毒の末に子を捨ててしまった母親、その母親に囚われ続ける息子、そして身を滅ぼし最後には打ち捨てられる父――。
突破口も、希望も、ない。重く暗く乾いた語り口、そしてサウンド。音楽としての高揚はもはや皆無ですが、最後まで引き込まれる内容でした。とはいえ重かった……! さすがに重かった……! 解説のブックレットによれば、バンドメンバーの近親者が薬物中毒で亡くなっているそうなので、やっぱり一度は作っておきたかった作品だったのかな。なんてこった、というクライマックスを迎える「Jimmy Sparks」のヘヴィさ、ぜひ一聴を。