Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

永原真夏『BEΔUTIFUL』

★★★☆

名盤『GREAT HUNGRY』以来となる新譜で、5曲入りのEP。ストリーミング解禁されたので聴くことが出来た。

サウンドや響きもちょっと軽めで、比較的のんびりとした曲が多い。そんな中では「草冠のライオン」がほんとに! あーーーー永原真夏だーーーー!! って感じの号泣ロックナンバーになっていてメチャメチャ素晴らしかった。サビも最高だけど<多様性に取り憑かれてる/弱い僕の胸なのだ>っていいよねぇ……。

永原真夏(SEBASTIAN Xもだけど)は、こういうミニアルバムや1〜3曲入りみたいな音源の出し方がほとんどで、とにかく追うのがしんどい。今後もストリーミングや、せめて配信に流していただけるとライトファンにはとても助かるます。

Various Artists『井上陽水トリビュート』

★★★

なんかストリーミングだと歯抜けになっていたけれど、アーティスト名で探せば全部ちゃんと出てきたので改めてありがたい時代。全体的にはちょっと……だったけれど(NHKの『COVERS』のほうが数段良かった)、KREVAの「最後のニュース」はぶっ飛んで良くてめちゃめちゃ感動した! 言葉のパワーがいまのカルチャーの最前線にも十分通用することを感じさせる名カヴァーだったと思う。ヨルシカの「Make-up Shadow」もさわやかなギターロックと原曲の妖しさを確信犯的にマッシュアップしていて面白かったし、福山雅治の「リバーサイド ホテル」も歌い込んでいる年季とハラハラするアレンジを楽しめた。細野晴臣のリミックスもグッドだったし、斉藤和義ACIDMANも"らしさ"が出ていた。マッキーはちょっと考えすぎな気がしたかな……。どちらかというと、楽曲のテーマにフォーカスしていたカヴァーのほうに当たりが多かった気がする。

しっかし、椎名林檎宇多田ヒカルがダントツでくっっっっっっそつまらないのが本当に、マジで、ダメ。ダメダメ。ただ雰囲気と歌声に酔ってしまっているだけだと思った。

SEKAI NO OWARI『EYE』『LIP』

★★★

同時発売された3枚目・4枚目のアルバム。

どちらも50分、1時間とボリュームはあるが、良くも悪くも独立した1枚というよりは対として聴かないと物足りなさが残る。特に『EYE』がなかなか尖った内容なだけに、それと比較すると『LIP』はアルバムとして散漫な印象を受けてしまったかな。とはいえ、アダム・ヤングの提供曲である「Mr.Heatache」はグッドサウンドだし、アレンジが楽しいので「Hey Ho」も楽しめた。

ポップミュージックを逸脱した内容の多い『EYE』は、こういう病んだ世界観に共鳴できるかというとそこは違うんだけれど、アングラな雰囲気が非常に突き抜けていてクリエイティブを楽しめるアルバムとしてはかなりいい。こんなマニアックな音楽がジャブジャブ売れてんのかと思うと、世界の表と裏が引っくり返っているような快感もある(笑) 名曲が入ってるわけではないけれど(あえて挙げるなら「SOS」かな)、「Food」や「Re:set」はグルーヴがかっこいいし、「エデン」や「すべてが壊れた夜に」のリラックスした雰囲気もよいアクセントになっていた。わからんくもないけどやっぱりわからん「スターゲイザー」で訪れる、アルバムの大げさなクライマックス感も好き。

ヤバイTシャツ屋さん『We love Tank-top』

★★★☆

ヤバTのファーストアルバム。何気にもう3年以上前の作品になるのか……。

2→3→1と聴いてしまったので、さすがに1曲1曲の完成度とかは後のアルバムのほうがいいなと感じてしまうけれど、クソしょーもない切り口から歌詞を書いてパンクサウンドで叩きつける、背伸びをしないプリミティブなところはやっぱり荒削りの良さがある。ただ迎合するだけじゃなくて、皮肉のセンスがきちんとある(これもホントは後のアルバムのほうがさらに磨かれているけれど)のがおそらくフックなんだろうな。1曲目の「We love Tank-top」はまったく人を食っていて最高でしたね。

しかし、この1枚だけだったら「マァ僕はいいか」で自分は終わっていた可能性もあると思うと、継続的にバンドを追ってくってやっぱ大事だなと……。

東京カランコロン『noon / moon』

★★★☆

2枚組で、各ディスク7曲収録、うち2曲づつはイントロとアウトロ……という情報からのイメージ通り、ちょっとコンセプト先行すぎてアルバムとしては散漫な内容になっていた。

楽曲も、すごく漠然とした表現だけど『UTUTU』よりも悪い意味で「暗い」感じ。そんな中でも『noon』の「スパイス」は心地良いグルーヴとコンパクトで切実なメッセージがあって素晴らしい。『moon』は2曲目の入りにサプライズがあって面白く、全体的にこちらのディスクのほうが生き生きしているように感じられた。「ロボコミュ」で、曲の最後に「次の曲は『おばけちゃん』!」ってお知らせしてたのも笑った。

そして、この次にリリースされたのが、何度も何度も取り上げている大名盤『東京カランコロン01』となる!

 

東京カランコロン『UTUTU』

★★★★☆

スーパーグッド。

所信表明であり、ツインボーカルも存分に生かした歌詞の展開がユニークな「夢かウツツか」は素晴らしいアルバムのスタートだし、続くリードナンバー「恋のマシンガン」はめっっっっちゃ楽しいぃぃぃ(「恋の~」なんてタイトルつけといて、「恋の相手それかよ!」な裏切りがほんとに大好き)! いちろーらしい捻ったアイデアの歌詞が楽しい「僕の辞書」、そして胸が裂かれる失恋を描く「ヒールに願いを」も聴かせるナンバー。ここからさらに遊び心とクセが深まった楽曲を続けて、狂いまくった超自虐ソング「笑うドッペルゲンガー」はマジで最高の1曲だ。ファーストアルバムからほぼ一気にここまで聴いたけれど、1枚ごとにしっかりパワーアップしていて、どんどん名盤になっていくの、ワクワクする後追いだなぁ。

なんか、ただ、今作についてはアルバムジャケットでちょっと損している気も。後半の展開はあくまで「ダーク」なのであって、十分にポップだったし、なんか物憂げなジャケットに見えちゃうのがちょっともったいないようにも思えた。