Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

鈴木小波『東京黄昏買い食い部』

★★★★☆

ムチャクチャ素晴らしい!! コミカルで可愛らしいキャラクター、まるで落語のようなストーリーのメリハリ、そして今作は特に、鈴木小波の「絵」のパワーをこれでもかと見せつけてくるのがすごすぎる。作家の十八番である魚眼レンズの墨絵だけじゃなく、写実的な水彩カラーまでバッチリイケるのかこの人!!最高だな!!電子書籍版ではカラー完全再現なので絶対に紙よりも電書のほうがオススメです。

自由自在に時系列を飛び越えたり、絵柄すらも飛び越えたり……マンガの魅力、鈴木小波の醍醐味がたっぷりと詰まった一冊です。東京の「おいしいもの」ガイドとしても使えて、しかも読み切り一冊だし、いい意味で誰にでも手軽に勧められる。6〜12ページで終わる掌編が中心なのですが、この長さだと作家の持ち味である「落語っぽさ」がぐっと強調されて物語全体がシェイプアップされるというか、鈴木小波はこういうほうが向いてるのかも……。各話の間に挟まるTwitter風のデザインも凝っていて、本当に隅々までスキのない一冊。圧倒的なカラー挿絵だけでも読む価値十分。マジでおすすめです。これが気に入ったら『ホクサイと飯さえあれば』にも進んでほしいな。