★★★★
悪ふざけとユーモアたっぷりのエンターテインメント！
中世ヨーロッパのファンタジー世界……がそのまま現代になってしまった、というワンアイデアで転がしまくるドタバタ劇。何というか、3DCGがどんどん現実そっくりのリアリスティックな表現へと傾いていく中、あえてそれを逆手にとって、「ファンタジーのはずなのに全然ファンタジーしていない」ように見えてしまうという映画構造上のメタな部分をパロディに活用しているのがすごく面白い。これはピクサー（やディズニー）の表現力があるからこそで、絵が中途半端だとひねりが効かない。妙に生々しいリアリティで笑わせてもらいつつ（ちょっと話がずれるけど、カーチェイスの時のGoPro風カメラアングルも良かった）、サラッとすごく高度なことをやっているなぁと。
ストーリーも、独創性に満ちた『リメンバー・ミー』から一転し（単に僕の見た順だが！）、とてもスタンダードなティーンエイジャーの成長物語になっているのも、逆に安心して観られる感じがしました。最後のあたりで少々「ただのファンタジー」が混在して話もごちゃっとしてしまうのですが、その手前まででも十分に価値があるユニークな映画。そもそも「（魔法が中途半端なせいで）下半身しか戻ってこないお父さん」というアホなアイデアの時点で既にこの映画は勝っていたのかも。まだまだやるじゃないかピクサー！！
て、いうか、主題歌がブランディ・カーライルではありませんか！！ 何で誰も教えてくれなかったんだ！！ はー、最高すぎる……。めっちゃいい曲……。
本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
