Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

高橋那津子『昴とスーさん』5

★★★★★

これで、泣かないのは、無理。……はぁ…………余韻がすげぇよ……。

いきなり核心の話になってしまうけれど、きっと誰しもがそれなりの「Stranger Life」を送っていて、その旅路の”途中”で出会った人に、それまでの人生を共有することなんてできなくて。そしてだからこそ、たった今、この瞬間だけの「Stranger Life」を誠実に、真っすぐ、背中を曲げずに生きてゆくしかないんだよな。たとえ次の瞬間に全てが無に帰してしまうとしても、それですら他のあまたの人生と条件は同じなのだ。何一つ違いはないのだ、昴は。おれに、おれに138~139Pのセリフを言えることなんてあるんだろうか。生きるということ、生きるということ、生きるということを、まばゆく、そして激しく描き出す傑作です。

あえて言うならば、この作品で言い切れることをこの巻でほとんど言い切っちゃったんじゃないかな、とだけは。それくらいクリティカルなセリフを主人公に言わせてしまった巻。『海街diary』の「群青」を彷彿とさせた「ピーク感」だった。