★★★★☆
びえ〜〜〜〜！！おもしろ！！！これはすごいわ！！！！
ebookjapanの無料キャンペーンで3巻まで読破。ラーメン好きの会社員・藤本がさまざまな出会いを通じて「商業のラーメン」（という言葉は出てこないんですが、あえてこう書きます）をめぐる大きなうねりの中へ誘われてゆく物語。基本は数話完結の「ラーメン版『美味しんぼ』*1」なのですが、その影がちらつくのは最初の1話だけで、もちろんラーメンのうんちくや、唸らされるアイデアラーメンの数々も楽しいんだけれど、それ以上に「人間対人間」の駆け引きがめちゃくちゃ面白い。そして決定的に違うのが「味の外側」にまでフォーカスされることで、マーケティング、道具、人間心理にまで深く踏み込まれるのがすごく楽しい。そして鋭く、しっかりした人間ドラマと全てが密接に、そしてスマートに接続されている。一方的なやり取りがあまりなく、皆悩みながらも駆け引きと探求を通じてしっかり前に進んでいくのがとても読んでいて心地良いのです。
読む前までは正直、ラーメンハゲこと芹沢の「情報を食っているんだ！」の数コマしか知らなかったのですが、このセリフですら単なるラーメン業界・グルメへの皮肉ではなくて、本当に「客商売」とは何か、そしてあくまで自分の見え方だけれど、“クリエイティブとは何か”の話じゃないかとすら思えて、読んでいてめちゃめちゃ創作意欲を刺激されました。立ち止まらずに進み続けること、「個性」を出すということ、働く人間に寄り添うということ、上手いラーメンじゃなくて旨いラーメンを……。すごいわこれ。全巻一気買いもありだな……！
