★★★★
作品のもともとのテーマまで原点回帰するような、「美術とは何だろう」を掘り下げる絵画教室エピソードがきちっと1冊にまとまっている（高校の時の美術の先生が週X日も絵画教室の先生をやっている、という設定は無理がある気もしたけど……）。こういう、一種のグロい展開は好物だった。アニメ化も決まった中で、なかなか攻めていた感じ。／改めてこの作品は“絵”がいい。とても動きが見えるのに、しっかり「止まって」キャメラに捉えられている不思議なグラフィック。こういうトーンが本作の静謐さを作り出している気がします。だから、音も聞こえるんだよね。紙も心も真っ二つに引き裂くあの音が。
