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め っ ち ゃ 大 好 き な や つ 。
これはやばい。うわーやばい。一見平凡なカップルに起きてしまった「ある出来事」が、その後の二人の日々からゆっくりと、じわじわと描かれてゆく。小さなアパートの一室で、寄り添いながら、支えあいながら、励ましあいながら、若いふたりは一日一日を懸命に生きてゆく。互いの守り合う心の強さはホンモノでも、体の強さは、生きる力自体は、そして砕け散った夢は、容赦なく二人のか弱さを浮き彫りにしてゆく。日々のディティールを丹念に描きながらもドラマチックなストーリー、そして手塚治虫を彷彿とさせるような色気ある抜群のグラフィック、どれもが超ハイレベルで、それゆえ決して見たことない設定……ではないこの物語を、圧倒的で、特別で、切実なものに仕上げている! 何より好きだ。大好きだ。超ツボなんです、こういう静かな「目線」を絡ませあうタイプの作劇が……。めっちゃマンガ描くのがうまい人だ。ああ、すごいわ……。
クッソネタバレだけど、もし工藤新一と毛利蘭があの街で生きてゆけなくなったら、こういう生活を強いられたのかもしれないね。
<ねぇスーさん/もし もっと小さくなっても/私が守ってあげるからね>
<よくいうよ>