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音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

奥井亜紀「ああ、春だ。」

うおおお! 大好きな、本当に本当に大好きな曲のライヴ映像がアップされていた!! アアアァァァ!!! 奥井亜紀、生歌めっちゃ上手いな!!!!

移りゆく景色を鮮やかに、そして優しく描きながら、軽やかに日々への愛おしさと祈りが歌い上げられていく。思わずいつもの服のままで踊り出しちゃいそうなリズム。そして、生きること、歳を重ねてゆくこと、強い想いをもつことーーを、丸ごと肯定してくれるような、決意の唄。

今から6年ほど前に、このブログの前身になるサイトで自分が(めちゃいい)文章書いてたので以下、丸ごと転載します。

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大好きな曲。ここ5~6年間でもベスト10に挙げられるぐらいのナンバーだ。移り行く季節が、瑞々しいことばと音楽で表現されている。あらゆる景色が鮮やかに流れていく。最後のサビ前のところなんてたまらない。<みんな大きな声で驚く>辺りの絶妙な日常感には、思わずクラクラする。
変わるもの、変わらないもの。今この瞬間だけが全てなのに、毎日の祈りはどこにでも隠されている。必死な自分をちっぽけに見せてくれる、きみ、あなた、おまえ、恋人。嬉しく思える瞬間は沢山ある。本当は沢山ある。この曲は、そんな当たり前をいつだって思い出させてくれる。
上手くいかなければ、自分の望みが叶わないならば、きっと死ぬつもりでいる。道半ばでもそのつもりでいる。だからいつも焦る。切実に行動を起こせる。起こせないと苦しくなる。けれど……。この曲を聴くあいだだけは、いつか僕がアニメーションを捨てても、物語も創作も捨て去っても、地球のどこかでドブさらいでも事務職でもしながら細々と生きていったって、きっと誰かを愛せるはずさ、と思えるんだ。春夏秋冬、日々のにおいと風景に目を細めながら、いつもの誰かと笑い合って、受話器越しに声を聴いて、年賀状の写真にとびっきり嬉しくなって。背伸びをせず、身も縮めずに、自然にそんな生き方が出来るならば、今のなにもかもだって捨てていい。誰かを喜ばせたい。よく知るあなたに嬉しくなってほしい。自分以外の誰かのために当たり前に生きる。そのための力を、心を持ちたい。相手を殴るためでも、自分を誇示するための力でもなくて、大切に思う誰かを守るための力を。

<私も愛する人を守るために 大きくなりたい 優しくありたい>
<冷たい風は押し返せない 心に抱いてあたためていこう>

僕の中の<丘の上公園>はなぜか、いつか『鶴瓶の家族に乾杯』で観た、宮城県石巻市日和山公園に脳内変換されている。放送を見たのは、まだ震災前だった。日本海を見下ろす絶好の桜の名所。今でも心の中にあの風景が焼き付いている。どうしてあそこなんだろうな……。

(2015年8月22日執筆)

 

「ああ、春だ。」は、アルバム『TIMEcARTRIDGE』収録。ストリーミングは未リリース*1です。

*1:2021年8月11日現在