★★★★★
kzのキャリア最高傑作。
VTuber事務所「にじさんじ」の所属メンバーから選抜された12人のために、にじさんじの大ファン（自分のDJセットでこの子たちの曲をかけちゃったりとか）を公言するkzが描き下ろした楽曲（公式通販CDのみ商品化していて配信リリース等は未定）。かつて初音ミクを「Tell Your World」というラブレターで見事に定義づけたように、この曲も「にじさんじ」という枠を越えて、広くバーチャルYouTuberそのもののテーマソングであるように響いてくる。メロディもアレンジもめちゃめちゃエモいし美しいし、（わりと曲によって好き嫌いが自分はあったりするけど）kzの歌詞もあまりにも輝きに満ち満ち溢れている。VTuberがなぜ、これほどまでにも強く新しくなつかしい文化として力を持ちつつあるのか、その先にはにんげんがにんげんとして日々を積み重ねて、絆を結んで（時にはほどいて）、言葉を探して、クリエイティブに向き合い続ける根源を描き出す何かがあって、なぜ生きるのか、なぜ人はひととしてここに立っているのか、そういうことが全部、この曲には込められていて、正にアンセムと呼ぶにふさわしい楽曲へ仕上がっていると思う。そしてもうひとつ、歌声のパワー……あんまりうまくない人もやたらうまい人もいて、その雑多さ、でも全員が声を重ねると計り知れないエネルギーとメッセージになって「窓の向こう」のこちらまで飛んでくるの、もうこれだけで、この音楽の主題になっている！！！
kzは、きっとこの曲を書くために、この歌声に出会うために、これまで音楽を続けてきたのだろう。大きな“結び”で人々を繋ぎ、次の未来へ歩くための力を音楽を通して描いてきたkzにとっての、一種のゴールのように、集大成のように感じられる。にじさんじ見てたけどこれまでお金は落としてこなかった人（最推しがこの箱じゃないとかね）！！ たとえば僕ですが、今ですよ。今だよ。今こそだよ。
見てる明日が
それぞれでも
歩いていこうどうしようもなく今を生きてる
この声が届く未来が
幸福だと
言えるように
ただ謡おう
