Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

BUMP OF CHICKEN「ロストマン」

自分にとって、あまりに偉大すぎる曲で、こういう酩酊したような気分のときじゃないととても記事にできる気がしない(ただでさえバンプの記事を書くのは特別すぎるのに……)。なんせ人生で一番好きな曲だからな。はー、さらっとかこ。

はじめて聴いたころは、MVの影響もあったと思うけれど、砂漠の真ん中でキャンプをしている若い青年のイメージがこの曲にはあった。見渡す限り砂、砂、砂で、かつて夢のままに描いていた地図を頼りに、不毛の地をさ迷い続ける主人公のイメージが。でも今は、夜のファミレスでふと目を上げた窓の外の国道とか、全く眠れずに迎えてしまった朝焼けとか、自分が経験した瞬間瞬間が物語にコーティングされて、この音楽へ重なるようになった。あのころ、さながらファンタジーのようにどこかで捉えていたこの音楽の物語は、まさに、いま、自分がそれに成り代わったのかもしれない。

藤原基央は、インタビューではっきりと断言している。この曲で歌われているとおり、<間違った 旅路の果てに>、いつか<君>と再会することはできるのか――? できない、と。それどころか、<祈る>とは、無意味な行為だと思う、と。それでも、<正しさ>を、<再会>を、私たちはどうしようもなく祈ってしまうのだ。いつまでも破り捨てられない手作りの地図と、老いてゆく重たい自分を引きずりながら。さぁ、行こうか、ロストマン(迷子)――。