Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

『シュガー・ラッシュ』

★★★☆

ヒット作のイメージでしたが、けっこう好みが別れそうな……

ひとつは、ラルフが後半のギリギリまで本当に「ただの悪役」でしかないこと。粗暴で、自分本位でしか行動せず、他のゲームまで引っ掻き回し、罪のない者を命のピンチにまで巻き込んでしまう。優しさを見せる部分はあっても、あまり理性的にモノを考えて行動できていないので、ギリギリまでただイヤなヤツでしかない(こいつに付き合うヴァネロペも、そしてフィックスも本当にいいやつだよ!)。とはいえ、「ただの悪役」としてこのように一貫して描かなければ、最後の成長に、そしてカタルシスには繋がらないので、まぁそうするしかないという……。

もうひとつは、なぜヴァネロペがあれほど疎まれているのか、彼女がレースに参加することがどれだけ皆にとって危険なことなのかがよくわからないこと。彼女が「グリッジ」であるが故に、という説明だけであまりピンとこないまま陰湿にいじめられていても別に感情移入できないのです。とはいえ、ここを説明しようとすると実はこの映画最大のネタバレになってしまうので、まぁそうするしかないという……(この構造が、この映画のキモかつ面白い部分で、そしてだからこそキャラの言動の不審さに「説明されるまでは」モヤモヤしてしまう根本の原因でもある)。

と、この2つの「見終えた後は『確かにそうするしかないよな』」と思える部分が、でも見ている間は引っかかり続けてしまって、あまり自分は楽しんで映画を観ることができなかった。あるいは、そこに引っ掛かり続けるくらいには他に夢中になれる要素が自分にはなかった。序盤の実在ゲーム登場は楽しいのですが本当に最初だけで後はほとんどお菓子の世界しか登場しないし、終盤のレース・シーンがエキサイティングなのも、あれは『マリオカート』が偉大なだけだし。でも改めて、登場するゲームの大半が日本製なのはすごいなぁ……。

本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。