Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

*漫画

宮崎夏次系『あなたはブンちゃんの恋』2

★★★☆ …………やば。(でもあと1冊くらいは読んでしまいそうだなぁ……)

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』18

★★★★☆ <この作品から目を離せないのは/ドラマの続きが気になるからだ 人は物語に惹かれる/その力は とても強い> この賛辞を、そっくりそのまま、この物語にお返しします。ふるえるくらい、泣き出しそうなくらい、熱く絢爛なクリエイティヴの大舞台。

白樺鹿夜・江本マシメサ『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』2〜3

★★★☆ 相変わらず大きな事件は起きないまま、ゆっくりと季節が動いてゆく。厳しい大自然の中で「暮らし」を続ける、その知恵とディティールに触れることができるのは相変わらず楽しい。一方、それっぽい貴族のドラマも一応あるんだけれど、作者の技量なのかあ…

さもえど太郎『Artiste(アルティスト)』4

★★★★ 接客についてのエピソードは、自分もごく一時期イタリアンのファミレスで働いた時にいろいろ感じたり、知ったり、こうなりたいなと思ったりしたことがフラッシュバックして、懐かしいような、胸がきゅっと締め付けられるような。こういう“プロ”になる未…

さもえど太郎『Artiste(アルティスト)』2〜3

★★★★☆ 3巻からめちゃくちゃ良くなってビックリ(2巻も良いけれど!)。特にEpisode13がいい!! 僕も毅然とこう言える人間にならなくちゃ……。ドラマチックな大失敗をしたわけじゃないけれど、ちょっとづつ社会の隅っこから掃き出されて自然と集められてきた“…

新井煮干し子『渾名をくれ』

★★★☆ あとがきを読むまで、この物語が何を描こうとしているのかピンと来なかった。なるほど。「こんなに何も感じないってある!?」と思うくらい、完全に自分の外側にある葛藤のストーリー……とはいえ、その物差しをあてがえば、確かにしっかりと作られた作品…

紀伊カンナ『魔法が使えなくても』

★★★★ 『春風のエトランゼ』の紀伊カンナによる一冊完結の連作短編集。といいつつ、最初は本筋がほぼなくてディティールしか描かれないこともあり少々読みづらい。後半で物語が合流してからはグッと全体が立体的になって、練馬の空にやさしい風が吹き込みます…

桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』5

★★★☆ 実にさりげなく壁ドンしちゃう市川(このアイデアを思いついた時は痛快だったろうなぁ)が相変わらずセクシーな第5巻。/山田のお父さんには何か山田のカルマを感じさせるものがありましたね……。ていうか厨房服を着たまんま家までは帰ってはこねーよ普…

山田金鉄『あせとせっけん』11

★★★☆ クソ今更だけど、「あせ」と「せっけん」から始まった物語の終わりが、結婚式の、その式の最後って正直ど〜〜〜なんだろうな〜〜〜。描きおろしマンガでようやく慌てて「せっけん」を回収したって感じで、別にせっけんの話に戻ることがマストでもないん…

冬目景『空電の姫君』3

★★★★☆ 「は?最終巻??舐めとんのかオラーーー!!!!」とわなわな震えながら指をスワイプさせて読んだけれど、あまりにも過不足なく綺麗に見事にしっかりばっちりパーフェクトに物語が終わって諸手を挙げて降参した。ストーリー自体は加速しても無理が全…

さもえど太郎『Artiste(アルティスト)』1

★★★★ フランス・パリを舞台に、気弱で内気なシェフ・ジルベールがその才能ゆえに大きなうねりへと巻き込まれていく物語。広告でやたら出てきて覚えてしまってた作品でしたが、素晴らしい出会いでした。数々の美味しそうな料理はもちろん、パリの風景や小物に…

ももせしゅうへい『向井くんはすごい!』

★★★★☆ これはすごい! イケメンでインフルエンサーで非の打ち所がない「シャイニーゲイ」・向井くんにムカムカしまくるゲイ、そして彼にいろんな意味で(羽虫のように)引き寄せられていくクラスメイトたちを描いた群像劇。彼を排斥したいと思っている側がマ…

谷口菜津子『教室の片隅で青春がはじまる』

★★★☆ ぶっくぶくに膨らんだ自意識と自己顕示欲に突き動かされる主人公=まりもと、さまざまな形でホモソーシャルにとらわれた女性たちを描いた「教室の片隅」のお話。実はあとがきを読んで印象がかなり変わってしまった部分があって……。そうか、人間としての…

峰浪りょう『少年のアビス』5

★★★★ おもろい!!! ほとんどゲスの極みのようなラスボスの降臨。こうなると、いよいよタガが外れてきた柴ちゃん先生というピュアクレイジーですらちょっと応援したくなってしまうな……。そしてようやく話が本筋に戻ってきて、さらにさらに物語が加速する予…

金田一蓮十郎『ゆうべはお楽しみでしたね』8

★★★ 1回だけコロナの話をやって、あとは全部ビフォアーの世界(出産のため入院するのに病院の中がコロナ対策皆無!)というかなりチグハグな内容。いっそコロナの話は単行本から抜いちゃったほうが良かったのでは……。

アッチあい『愛しの国玉』3

★★★★ 「K」といい「ロクベル」といい「小さなライオン」といい、このマンガといい、どうして猫って人間になりたがるんだろうな……なんかごめんな……猫が人間になれる社会じゃなくてごめんな……ごめんな……。/ところであとがきでも触れられている「国玉の性別」…

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』6

★★★★ ロックダウンもひと段落し、物語がさらに前へと進んでいく。キャラクターたちの心の動きが相変わらずとても自然で、そして同時にドラマチックで。こちとら読者だから何にもできやしないんだけどさ……みんな、がんばれ。/この中だと浮いているくらい超フ…

kashmir『ぱらのま』4

★★★☆ 旅情をさそうエピソードの数々もいいけれど、東京周辺をぐるぐる回る話がいくつかあって今回はそれが特に気に入った。「吉田松陰と井伊直弼の墓がこんなに近くていいんですか!?」には笑いました。近所に住んでいたけれど考えたこともない切り口だった…

王嶋環『おるすばんごはん』1

★★★☆ 第1話がズルい!!!!!!! 典型的なズルいやつ!!!!!!!!(こう描いたら勘のいい人は最初の数ページで気づくだろうな……) そして、いい意味でスマートな「飯本」ではまったくなく、悪戦苦闘してラクしようとして失敗して、みたいな寄り道もた…

幾花にいろ『イマジナリー』1

★★★☆ 成人漫画で名著を生み出した幾花にいろの(たぶん)一般誌ストーリーマンガ初連載作品。タイトルの通り、イマジネーション(想像や妄想)が数珠繋ぎになってズルズルと物語を逸脱していく展開が楽しい。この「逸脱すること自体がコンセプトになっててオ…

宮崎夏次系『あなたはブンちゃんの恋』1

★★★★ 今年の頭くらいに一度読み終えていた漫画だったんだけど、感想が全然まとまらなくてずっとペンディングしてしまっていた。あまりにも独り善がりで、切実な作劇。でも何か大切なものが欠けているような気もして、そこに自分で気付けるまでは文章に残せな…

小坂俊史『モノローグ書店街』

★★★★★ 静かな傑作。 2011年夏、旅行先の遠野市の小さな本屋さんで小坂俊史の『遠野モノがたり』を表紙買いして、思えばあれから今年でちょうど10年になる。小坂の代表作である「モノローグシリーズ」8年ぶりの続編は、あいかわらずギャグがかっ飛んでいる作…

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』17

★★★★ <外国が身近になって 「おとぎ話の世界」じゃなくなって/異文化を題材に創作するのは(かえって)難しい>。はー、さらに先に行ってるなぁバレエ界……! 挑み続ける誇りも、クリエイティブの喜びも、そして百合も、ますます好調な第17巻。

漆原友紀『猫が西向きゃ』3

★★★☆ クライマックスがすごい! さすがによく練られた最終回だった。結局のところ、こういう「ピンチ度の高いサスペンス」が他の回では絶妙に足りないところが、僕が漆原作品に期待していたけど今作では残念だった部分で、そして同時にこのマンガ最大の狙い…

オジロマコト『君は放課後インソムニア』6

★★★★☆ 目には見えない天の川を隔ててふたりが疾走してゆく。六千年前からの星空を記録する1時間。六千年前から続く孤独がふたりを見守っている。六千年前からの星空がふたりの影を闇に落とす。六千年前からの星空がキャメラに焼き付ける数秒間。六千年前から…

小坂俊史『新婚よそじのメシ事情』3

★★★★☆ ものすごくシンプルにまとめると、「対話」の楽しさを描いた作品で、料理だ夫婦観だというのはあくまでお出汁にすぎない。ふたりのダイアローグの量を集計するとピッタリ、フィフティー・フィフティーになるのではないか。ユーモアやギャグでまとめら…

峰浪りょう『少年のアビス』4

★★★★ 登場人物のヒミツがおおむね開示され、条件は揃い、横一線。さあ、ここから「駆け引き」がはじまる! ラストの1枚は、プロローグが終わった華やかなステージの始まりを告げる、祝砲のようですらあった。あのセリフはきっと、読者である私たちへの呼びか…

永田カビ『迷走戦士・永田カビ』

★★★★☆ ちょっと誤解されそうな表紙なんだけど「一人で結婚式を挙げた」のはゴールではなくまったくのスタートで、そこから「自分の性的指向とは?恋愛感情とは?」といったことの、ただただ思考を垂れ流しているだけなのにいつも通り非凡な内容に仕上がった…

犬上すくね『恋愛ディストーション』1

★★★★ 短編集『想うということ』が鮮烈だったので、手を出してみた犬上すくねのシリーズ作品。それなりにありふれた二組の若いカップルを主軸に、互いの日々の摩擦や変化を軽やかに描いていく。とにかくこの「においたつ日常感」がなかなかスパイシーで、なん…

榎本あかまる『この会社に好きな人がいます』6

★★★★ 三ツ谷さんが可愛すぎて染井くんが可愛すぎて…………はあ、しんど。こういうマンガの中ですら絶滅危惧種のツッコミ「っておいーーー!!」が聴けたのもちょっと楽しかった。社築かよ! /微笑ましくて、そして、何かしらのちょっとした「補給」ができる、…