Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

オジロマコト『君は放課後インソムニア』7

★★★★ ひとつ山を越えたこともあり、さすがにここ数巻のドラマチックな展開と比較して落ち着いた内容になっていた。/サブストーリーだけれど、<穴水みたいな子はさ(中略)ふしぎと消えていくんだよな>のあたりがすばらしい。ここに……ここに気を配れる(こ…

谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』20

★★★★☆ こんなに地味で、そして陰湿な話、「読者が絶対について来てくれる!」って確信がなかったらぜったいに出来ないわ(やりたかったとしても編集が止めてるわ)。すげーよ。ある意味キングだからできる横暴……。それでも、一人、また一人と「青春が終わり…

九井諒子『ダンジョン飯』11

★★★★ ついに、“あの”九井諒子の本性が牙を剥いた、というべきグロテスクな展開の連発。あさましく、おぞましく、おそろしく、そして罪深き人間の欲望が次々にこれまでほがらかギャグを展開していたキャラクターたちを飲み込んでゆきます。鮮烈なシーンは沢山…

『アイの歌声を聴かせて』

★★★★☆ めっちゃいい!! 青春映画の、そして和製ミュージカルの新しいスタンダードだと思う。 とにかくずば抜けて素晴らしいのが“キャラクターたちのハーモニー(調和)”で、それぞれ悩みを抱えながらもぶつかり合う高校生たちのダイアローグが、立ち振る舞…

『竜とそばかすの姫』

★★★★☆ 日本のアニメ映画の、良いところもダメなところも全部盛りして上から背脂た~っぷりかけた濃厚豚無双ラーメンミュージカルトッピングです!ウッヒョ~~!! ……みたいな映画だった。これはずばり、カルトだと思う。 とにかく、「何だこれ!?」だ。高…

柾花音『まかのんソングス~じぇいぽっぷ~』

★★★★ 柾花音のカヴァーアルバム。前作『まかのんソングス〜あにそん〜』からわずか4ヵ月、しかも今回はCDリリース(レーベルはVTuber事業も展開しているCHET Group)である。ノリノリだ! 『〜あにそん〜』から圧倒的に良くなったのが、曲順。楽曲のテーマ、…

amazarashi『令和二年、雨天決行』

★★★☆ amazarashiのEP。 「amazarashiなら“令和二年”をどう歌うのかな」という興味からプレイボタンをタップした。表題曲「令和二年」は意外にも穏やかで、そしてすごくありふれた「シンプルに寂しいぜ」の感情が唄われる。秋田ひろむって、他の曲でも薄々感…

Rain Drops「エンターテイナー」

★★★★ にじさんじ所属VTuber6人からなる音楽ユニット、Rain Dropsのメジャー1stフルアルバムのリードナンバー。 Rain Drops、実はメジャーデビューしたVTuberの中ではリリース数が群を抜いていて、セールス的にも優等生みたいなのですが、自分は結成当初から…

BURNOUT SYNDROMES『BURNOUT SYNDROMEZ』

★★★☆ BURNOUT SYNDROMESのコンピレーション・アルバム。アニメタイアップの既発曲を集めた「アニメベスト」と銘打たれている。 例によってソニーのアーティストが持ち回り担当している少年マンガ原作アニメのタイアップを強く意識した、職人芸のようなロック…

ときのそら『ON STAGE!』

★★★★ ときのそらのセカンドアルバム。15曲入りだった前作から一転して、全8曲と少々寂しいボリュームに。 アイドル路線へ完全に振り切った『My Loving』と同じ感じかな? とタカをくくって聴き始めたら……サザンのような妖し〜いポップナンバー「リア/リモシ…

樋口楓『AIM』

★★★☆ 樋口楓のファーストアルバム。 Lantisからのデビューということで、とっっってもLantisっぽい……とはいえめちゃめちゃ方向性がハッキリした(そして、おそらく樋口楓の得意なことともよく合っている!)アニメ主題歌的ロックナンバーがメイン。演奏は時…

odol『はためき』

★★★★ odolの約3年ぶりとなるニューアルバム。散発的にリリースされた配信限定シングルやEPから全9曲が選ばれている。 前作の、やや悩みの深い内省的な霧は払拭され、穏やかで、だけれどまばゆい日常が静謐かつ緻密な音楽によって描かれていく。2曲目の「未来…

ADAM at『零』『Daylight』

★★★★ ADAM atの、それぞれ2020年、2021年発表のオリジナルアルバム。 これまでのアルバムと連続性のある、オシャレで心落ち着くジャズアルバム『零』。そして一転し、攻撃的なギターサウンドとビートの「カルラテン」から幕を開ける『Daylight』は攻めの1枚…

Gang Of Youths『total serene』

★★★☆ オーストラリアのロックバンド・Gang Of Youthsの3年ぶりになる新譜。 ああ、これこれ、こういうやつ!って感じの、希望も混ざった熱い気持ちが腹から湧き上がるロック・ナンバー「the angel of 8th ave.」が見事です。YouTubeにピアノアレンジ版もアッ…

ソウル・フラワー・ユニオン『ハビタブル・ゾーン』

★★★★ 『バタフライ・アフェクツ』以来2年ぶりのニューアルバム。 前作がダメダメだった(前々作もあんまり……)ので期待値が低いまま聴いてしまったのですが、間違いなくキラーチューンの「ダンスは抵抗」、やわらかくも力強い「川のない橋」、久々にアイリッ…

空気公団『僕と君の希求』

★★★☆ 空気公団のニューアルバム。長年連れ添ったメンバーが離脱し、山崎ゆかりのソロ名義になってからは初のリリース。 そんな経緯もあったからか、全体的には「遊び」の少ない、「ザ・空気公団」を追求したような気合の入った曲がズラッと並んだアルバムに…

ハナレグミ『発光帯』

★★★☆ ハナレグミのアルバム。いつの間にやら、前作から4年ぶりのリリースとなった。 全体的に、穏やかにゆったりと過ぎていく日常をふわりと描いた歌詞、そしてサウンドを前面に押し出した楽曲が並んでいる。過去の作品よりもやや気持ちがポジティブ寄りで、…

フラワーカンパニーズ『36.2℃』

★★★★ フラワーカンパニーズのニューアルバム! 最近のフラカンのアルバムとしては珍しく、歌よりもバンドアンサンブルへぐっと寄せた、歌詞よりかはジャカジャーンと心地良くかき鳴らされるぎらぎらしたロックサウンドに心惹かれた。「こちら東京」の感動的…

yonige『三千世界』

★★★★☆ yonigeのミニアルバム。再びインディーズからの発売。 過去作と違い、ストリーミングでも解禁されている。「あーストリーミングでも来たのか……じゃあCD買わなくても良かったかな……」とか思ってたら、何とストリーミングとCDで内容がぜんぜん違うらしく…

ナユタン星人『ナユタン星からの物体N』

★★★☆ ナユタン星人の4thアルバム。リリースは2020年4月で、つい先日*1ストリーミングが解禁された。 アルバムを聴いてみようと思ったきっかけは「銀河電燈」と、そして「木星のビート」のカヴァーを聴いたから。「木星のビート」はキュートなメロディライン…

ふじつか雪『トナリはなにを食う人ぞ ほろよい』7

★★★★ えええぇぇぇぇ〜〜〜〜〜おめでとう〜〜〜〜〜!!! ご祝儀はどちらまで……と考えたところで、違うこいつらマンガの登場人物だった、と我に返った。友達というより親戚のおじさんみたいな気持ちへ変化しつつある第7巻。/イチャラブ系のマンガほかにも…

森繁拓真『となりの関くん じゅにあ』1

★★★★ なんと、『となりの関くん』4年ぶりとなる新刊(そういえば連載が自然消滅していたらしいが……)。しかもあの二人が結婚して、その子どもが主人公という「えええぇぇ!?!?」って感じのブッ飛ばしっぷり! 大枠としてはさすがに『からかい上手の元高木…

阿部共実『潮が舞い子が舞い』6

★★★★ 言葉も文字も、紙を埋めつくさんばかりに羅列されまくるクセに、本当に伝えたい言葉も本当に伝えたい感情も本当に形にしたい想いも、何ひとつ具現化されることはなくて、でも間違いなく、そこには“それ”が“ある”のだ。「ある。よねぇ」と、小声で確かめ…

くずしろ『兄の嫁と暮らしています。』10

★★★☆ これまでの巻と比べて急展開が多く、ガリッとした歯ざわり。描かれる内容は素晴らしいんですけれど、なんか終わるタイミングを見失ってしまっているようにも思えるナ……。

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』7

★★★★☆ 息苦しく、痛く、不自由で、それでも「ちゃんとしたい」から、自分自身に「誇らしく」ありたいから、今この瞬間だけでもがんばって踏みとどまり、一歩づつ一歩づつ前へと進んでゆく、勇気ある人々の道なき道の物語。そして「えらばれなかった」人々の…

吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳〜月額2万千円の金欠ライフ〜』3

★★★★★ ○○商法に引っかかった、みたいなノリでイオンカードの罠を訥々と紹介していく第一話からアクセル全開。「筋トレはタダですから」「キレイな景色って世界遺産なのにタダなんだな!」「たしかに玄関って外のテラス席みたいですもんね」等またしても名言…

たらちねジョン『海が走るエンドロール』1

★★★☆ 表紙力。表紙力っすよこれは。今年度表紙オブザイヤー受賞。 Twitterの立ち読み企画で度肝を抜かれて購入。65歳のおばあちゃん(65歳が“おばあちゃん”かはさておき)が若き日の夢だった映画製作にのめり込んでいく、というお話。……ではあるんだけれど、…

山口つばさ『ブルーピリオド』10

★★★★ うさぎと動物たちの幻影がその小さな部屋を埋め尽くしたときに、「それだっ…!それでいいんだっ…!お前はそれでいいんだッ……!」と観客席の最前フェンスを両手で握り締めながら思わず叫んでしまった。マジで親みたいな(?)、彼らのファンみたいな気持…

志村貴子『ビューティフル・エブリデイ』3

★★★★☆ え〜〜〜!!!めっちゃ胸キュンやん!!!!トロ甘やん!!!! 第1巻からはちょっと想像できなかった位のド直球思春期ラブ。HoneyWorksじゃん!!!!! その他の諸々もしっかりと着地点に収まり、ハッピーな空気で締められた最終巻でした。志村貴子…

榎本あかまる『この会社に好きな人がいます』7〜8

★★★★ タイトルの通り、「『この会社』に好きな人がいます」の『この会社』にしっかり軸が置かれているから、フワフワ漂ってしまいそうな物語がちゃんとシナリオから離れすぎずにいるんですよね。だから、ケーキの上のメレンゲであるイチャラブを下のスポンジ…