Wi-Fi飛んでる? 神さまって信じてる?

音楽・マンガ・映画・その他 いろいろ感想をメモしておくブログです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

高津カリノ『俺の彼女になにかようかい』7

★★★★ 僕ばりおかさんが好きだったんですけれど、ジュノンとのクライマックスがメッチャロマンチックですごい良かった〜〜〜!!(もちろん他のメンバーたちも)。 6巻の記事でも書いたけれど、「ポスト『WORKING!!』」の作風をおそらくすごく意識して模索し…

高津カリノ『俺の彼女になにかようかい』6

★★★★ 『WORKING!!』『サーバント×サービス』を「経た」、高津カリノ2.0をぞんぶんに感じさせる第6巻。一部バカバカしいくらいフザけた設定こそあれど、描かれている人間模様や葛藤はこれまでの筆者の作劇を塗り替えるほどにしっかり、しっとりと濃厚で、ちょ…

ヤマシタトモコ『違国日記』6

★★★★☆ <叔母さんは小説家で親が死んで超つらくて音楽的に深みが出てもいいはずなのになんで全然パッとしないの!!ーーということがわたしの一番の悩みだった> めちゃくちゃいい。<わたしはわたしの孤独に水をやるべきだろうか?>って言葉、部屋の壁に貼っ…

久井諒子『ダンジョン飯』9

★★★★☆ ポンコツキャラ・ミスルンきゅんも別働隊として走り出した第9巻。相変わらず各話のクオリティが高い……。展開でみせるギャグも、LINEスタンプみたいな一枚絵のギャグも*1、そしてストーリー運びも、さらに見えてくる大きなストーリーも、数々の魔物のア…

PEOPLE 1「常夜燈」

★★★★ まぁ〜〜〜このMVが良くて良くて。めっちゃ良いすね。そりゃ話題になるわという曲。縦画面なので当然スマホなどで鑑賞されるとさらに魅力的です。聴いてるとわかるけど、軽快でふわりと宙に浮かぶようなトラックに、意外にも暗くて後ろ向きなリリックが…

エルセとさめのぽき『I F ~僕らは何度も、君に恋する。~』

★★★★ エルセとさめのぽきの1st EP。正式名称は『I F 』でいいのかな、それとも『IF』?(半角スペースが入ってて気になった) 映像つきでも勿論いいけれど、ミニアルバムとして3曲聴き通した時のドラマチックさが素晴らしい。せつない物語のスタートを演出す…

BBHF『BBHF1 -南下する青年-』

★★★★★ ファーストアルバム、改名後の2枚のEP、いずれも見事な内容だったBBHFが満をじして放つCD2枚組、全17曲入りのオリジナルアルバム。北から南へと旅をする青年を主人公にしたコンセプト・アルバムになっている。 ……という話だったけれど、旅をしている青…

yonige『健全な社会』

★★★★☆ いいアルバム。 ご機嫌なロックンロールはとうとう1曲も無くなり(かろうじて「みたいなこと」か)、歌詞の内容も相まって、ただただ暗く鬱が延々と描かれるような内容になった。が、ずば抜けて素晴らしいのがサウンドで、こういう「鬱」の気持ちにこ…

MIZU『MIZU』

★★★☆ 19歳のデュオ「MIZU」のデビューミニアルバム。 っていやいや、とても19歳じゃねーよ!! という、良くも悪くもオッサンな曲が揃ったマイナー調のフォークソングが揃っている。めちゃくちゃメロウな「ぶる〜」や、あの曲の<越えて 越えて>を<一線越え…

CHARA + YUKI『echo』

★★★★ これはすごい! CHARAとYUKIの共作による(トラックは提供が主だがサウンドプロデュースはCHARA、歌詞はほぼYUKI)ミニアルバム。 20年前にユニットを組んでいたこと自体知らず、アルバム発売と同時に公開された当時の「愛の火 3つ オレンジ」のMV見て…

ゆず『YUZUTOWN』

★★★ ゆずの新譜がぜんぜん響かなくなって、結構経った。 一番はやっぱりアレンジのせいだろう。とうとう今回たった2曲になってしまった岩沢曲の「まだまだ」でさえ、あまりにも感傷的で大げさな編曲。聴いていて疲れてしまうし、感情移入できないので高揚も…

yonige『girls like girls』

★★★★ インディーズの再録を2曲含む初のフルアルバム。 冒頭を飾るカラッとした(そして生々しい)ナンバー「ワンルーム」もいいけれど、アルバムの後半、「スラッカー」以降急にオルタナティブ全開になってそこからがめちゃめちゃいい。andymoriのファースト…

yonige『Coming Spring』

★★★☆ yonigeのファーストミニアルバム。 実は代表曲らしいけどぜんぜん知らなかった「アボカド」はここに収録されている。とても1枚目とは思えない完成された音楽に驚かされた。感情をぶつけながら泣きじゃくるカッ飛びロックも、この後さらに洗練されてゆく…

スタヂオひまつぶし『沼男《スワンプマン》は誰だ?』

★★★★☆ アニメーション作家・久海夏輝らが展開する「スタヂオひまつぶし」が発表したクトゥルフ神話TRPGのリプレイ動画。 えーと、僕も詳しくないのですが(以下説明、読み飛ばしてOKです)、作家・ラヴクラフトが20世紀初頭に発表した怪奇小説シリーズ「クト…

『マーベラス・ミセス・メイゼル』シーズン1

★★★★ Amazonオリジナルのドラマシリーズ。1950年代後半のニューヨークを舞台に、いろいろあってシングルマザーになった女性がスタンダップ・コメディのステージを目指してゆく。 第一話の、酔った勢いでそのままステージに上がるシーンが素晴らしい。その後…

『プロメア』

★★★☆ しっかりTRIGGER作品を観るのは実はこれがほぼ初めてだった(後はアニメミライ版の『リトルウィッチアカデミア』だけかな)。 グラフィックが圧倒的にユニークで、3Dでグリグリ動く背景に極彩色のカラー設計は、さながら映像ドラッグのよう。ただ、(予…

『ぼくの名前はズッキーニ』

★★★★ スイス、フランス合作のストップモーション・アニメーション映画。 勝手にこの映画に持っていたイメージを開始5分で引き千切る、あまりにも重たいスタートで心折れそうになったけれど、その後もわりかしエグい球を内角に食らいつつ最後まで観終えました…

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

★★★★ 吹き替えしかPrimeになかったけれど、ようやく観れました。 『ブレッドウィナー』見た時はあんまりそう思わなかったけれど、なるほど、アイルランドのスタジオジブリと称されることもよくわかる優れた児童向けアニメーション映画。アイルランドにも羽衣…

『泣きたい私は猫をかぶる』

★★☆ いやぁ、やばいでしょうこれは……。途中まではまだしも、ラスト40分で気持ちがズルズル落っこちた。一体いつの時代のアニメなんだろう、これ? 前半。そんなに整理されたプロットではないけれど、生き生きしたセリフやキャラクターが物語をしっかり彩り、…

『失くした体』

★★★★★ ぶっちぎりの傑作。界隈では“超”がつくほどの話題作だったので「あ、ジェレミー・クラパンですよね?見ました見ました!」って話を合わせてウソつかなきゃいけない状況が来ないかビクビクしてたけど、これでもう安心です(だってNetflix入ってなかった…

保谷伸『まくむすび』1

★★★ これは合わなかった……! テーマも、設定も、軽快なセリフ回しも、そしてこれから展開するであろう内容もかなり自分のツボなんだけれど(特に即興劇するところ、ぽろっと次のセリフがアドリブで出てきたところはすごく良かった)、こんなに演劇をバカにす…

荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』15

★★★★☆ なぜか最終巻がぜんぜん出ない状況になってしまって、週刊誌連載にも関わらずこれが実に3年ぶりの新刊。正直、3〜4巻前から読み返さないといけなかったくらい内容も忘れてしまっていた。が、その理由がこれだったのか、まさかラストシーンの取材予定先…

山田金鉄『あせとせっけん』8

★★★☆ イベント系がひと段落したこともあって、原点回帰なアプローチが多かった第8巻。ワン・センテンスでも結構話が広がるのがグッド(今さら「においの形」みたいな話をやるのが逆に良かった)。とはいえこれ、どこまでやるんだろうな……。

仲谷鳰『やがて君になる』1〜2

★★★☆ 好みの話をしてしまえば、もっとバチバチしてる百合のほうが性癖なので、まぁそこもあるにはあるのですが、一方的に好きになってイマイチその理由がわからない七海にも、アセクシュアルを真正面から描く……というわけでもなさそうな小糸にも、そこまで感…

志村貴子『おとなになっても』3

★★★★☆ <私の思考は突然あちこちにばらけ始める/集中力が続かない/かと思えば/何かひとつにとらわれる> 昨日の自分も、明日の自分も、いまの自分とはまるで違う自分。こころは言葉に直らない。いつもわけがわからない。それでも自分は動き続ける。いや、…

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』14〜15

★★★★ 演じる喜び、跳躍する快感、そして「若き天才」とシンクロできる読書体験。"運動"が自己表現かつ自己実現にもなっている、って、自分は学校で教わらなかったことだな。なんだか悔しいな。 自由に身体が動く、火照った肉体で踊り上げる……なんて、読者が…

鈴木小波『東京黄昏買い食い部』

★★★★☆ ムチャクチャ素晴らしい!! コミカルで可愛らしいキャラクター、まるで落語のようなストーリーのメリハリ、そして今作は特に、鈴木小波の「絵」のパワーをこれでもかと見せつけてくるのがすごすぎる。作家の十八番である魚眼レンズの墨絵だけじゃなく…

冬目景『空電の姫君』2

★★★★ 筆者ももちろん後書きで記しているけれど、ここで描かれている音楽文化が今まさに死に、過去の産物になろうとしている事実には胸が引き裂かれそうになる。これが日本で最期のライブバンドコミックになるのかもしれない。 登場人物たちのトラウマが一つ…

吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳〜月額2万千円の金欠ライフ〜』1

★★★★★ 「ステーションバー(怪人)」でSNSでも大バズした*1、吉本浩二の最新作。 正に令和版『大東京ビンボー生活マニュアル』であり、あまりに身も蓋もない生活描写、強烈なディティールへのこだわり、そして着眼点のユニークさとやわらかさ。そして「優し…

金田一蓮十郎『ゆうべはお楽しみでしたね』7

★★★☆ たくみが友人たちに結婚報告したシーンのとこ、すっげードス黒い気持ちが湧いたけどなんかいい風に流されちゃってモヤモヤしたな……。結婚と出産の話をドラクエのシナリオに重ねるのは、ならではですね。